劇場公開日 2023年7月28日

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「観たい度◎鑑賞後の満足度◎ ヒッチハイク映画は洋画では珍しくもないが、邦画としては珍しいかな。全編菊地凛子の名演に支えられている。他の人ならもう少し退屈な映画になったかも。」658km、陽子の旅 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0観たい度◎鑑賞後の満足度◎ ヒッチハイク映画は洋画では珍しくもないが、邦画としては珍しいかな。全編菊地凛子の名演に支えられている。他の人ならもう少し退屈な映画になったかも。

2023年8月7日
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鑑賞方法:映画館

①はじめは殆んど無口(というか喋る気があるのかこいつ、という感じ)で且ついい年をしてろくに挨拶や「有難う」も言えないのか、という苛立ちが先にたつ。引きこもりってこんなん?
ただし、チンした冷凍のイカスミスパゲッティを食べるのは私もよく食べたので共感。
しかし、菊地凛子の演技のお陰でだれない。表情というか目の演技
がスゴい。目は口ほどもものを言うてか。
②主人公がヒッチハイクで乗せて貰った人たちとのふれあい(一人だけは実際に肌のふれあいまでして散々だったが)を通して変わっていくのはよくある展開だし、私は家の都合でそれこそ馬車馬の様に働いて(そういう時代だったけれど)引きこもる暇などなかったし、父親とは適度な距離を取りつつも逝去まで付き合いが有って葬儀も全て私が取り仕切ったし、東日本東大震災もニュースの映像にはショックも受けたし戦慄もしたけれど、誤解を招くのも承知の上で言うと災害が少なく距離も離れている奈良ではどうしても自分の身に寄せて感じられない。
風吹ジュン扮するオバサンの東北弁は殆んど分かんなかったし。
従って本作の内容には殆んど感情移入は出来なかった。
菊地凛子の女優としての存在感に圧倒されたのみ。
③最後に乗せてもらった車の中で堰を切った様にこれまでの自分の人生との向き合い方、父親の死をやっと受け入れる心境になった経緯を吐露する菊地凛子の一人語りの芝居が見事。絶妙な匙加減である。
運転する父親は振り返りもせず何も言わず助手席の息子がスマホで兄に連絡したことだけ告げる演出も上手い。
④42歳なんてまだ若い。658km(はじめの方の何kmかはともかく)を一人で何とかかんとか踏破したんだから、その経験が、体験が、これからの人生の礎となる筈。

もーさん