「すいません、青森まで乗せてもらえませんか?」658km、陽子の旅 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
すいません、青森まで乗せてもらえませんか?
40近い、引きこもり。田舎から出てきたものの、馴染めずコミ障。かといって、体裁悪く田舎にも戻れず。
いるんだろうな、けっこう。
思いがけず置いてきぼりを食らい、それでも疎遠だった父に会いたさが勝り、遠い青森を目指す。嫌でも人と触れ合っていくことで徐々に氷解していく閉じこもっていた心。
だから心から「こんな私をのせてくれて、ほんとにありがとうございます。」と言葉が出てくるのだろうし、握手を求めるのだろう。
茂。せめてさ、やっとたどり着いた陽子をまずは労わってやれよとは思う。だけど、そのぶっきらぼうな態度がまた東北人なのだろうな。けして冷たいのではなく、内にはよく頑張ったなって気持ちは溢れていそうだったものな。
この手の映画、ジムオルークはよく似合う。
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