「痛々しい」658km、陽子の旅 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
痛々しい
暴力的な父への反発やトラウマを抱え、様々な壁にぶつかって夢半ばで叶わず諦めた女性が、いわばコミュ障となっていながら、金も携帯も何ひとつない身一つで故郷を目指してヒッチハイクする姿が痛々しく。
あらすじにあった「心を癒されていく」ではなく、「逃げ続けていた自分と向き合って素直になる」が正解かな?
セリフにも何もないが、主人公の年齢を考えると、就職氷河期、リーマンショック後の壊滅的経済状態、非正規雇用の増大、震災、新型コロナ……
戦略的にビジネス展開する才と運がなければ、何ひとつ成功する道筋が見えない時代を反映していると感じました。
つらさの共感ができるか否かという感じなので、面白いというより、考えさせられるという趣き。
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