「どんでん返しだけを売り物に映画を作るとこういう作品になりますw」神が描くは曲線で 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)
どんでん返しだけを売り物に映画を作るとこういう作品になりますw
クリックして本文を読む
初めに主人公の女性は精神病院に入院するのだが、実は彼女は私立探偵で、院内で起こった自殺事件の真相を捜査するために偽装入院したのだ――という前提を観客は与えられる。
しかし、院内で発生した別の死亡事件をきっかけに、その前提は彼女の虚言癖によるものだとの見解が院長から提示され、その証拠も出てくるので、彼女は精神病患者として再び拘束されてしまう。これが第一のどんでん返し。
ところが、彼女の発言を裏付ける事実もあるため、観客がそれに沿って見続けていくと、再び院内で事件が発生し、今度は彼女が鋭い推理力を駆使してそれを解決して見せる。なるほど彼女は病気ではなく、偽装入院だったのを亭主と院長らの陰謀により本当の入院にすり替えられてしまったのか。これが第二のどんでん返し。
彼女はめでたく退院となり、関係者にはしかるべき処分がなされる、と思ったら…。
ストーリーでは彼女が正気か病気かという謎、病院内の自殺で処理された事件の謎、新たに発生した死亡事件の謎等が錯綜して、何だかおかしな終わり方だなと思っていると、ああ、なるほどねという結末になる。
確かに関心は続くのだが、さほど面白くもないのに行きがかり上付き合わざるを得ない、といった感がぬぐえない。最後のどんでん返しを見てゲーム感覚で面白いと思うか、テクニックだけで中身がないなと思うかが評価の分かれ目か。小生は残念ながら後者でした。
コメントする