「自分に向き合って」青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない LSさんの映画レビュー(感想・評価)
自分に向き合って
自分にとって認め難いこと、認めるのが辛いこと、それをカバーするための自分を騙す嘘や希望的観測が、いつの間にか自分だけの現実になって世の理から乖離する。それが思春期症候群なのかもしれない。
そうやって身を守るのは間違いじゃない。でもそこから出たいなら、いろんな人の助けを得ながらも、自分の力で踏み出すしかない。
咲太はブタ野郎として図らずも(図ってないのにできるのがニクい)周りの大事な人たちに手を差し伸べてきた。その経験が自らを追い詰めるが、今は助けてくれる人たちがいる。
麻衣さんと咲太をはじめ、全員の関係性がぶっきらぼうでもあたたかくて、とても愛おしい。フィクションなのに、皆幸せになってほしいと心から願う。と同時に、翻って私自身がやってきたこと、できていないことを顧みさせて身につまされる。この作品を生み出した全ての人に感謝したい。
※エンドロール後に長いCパートあり
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