きみの色のレビュー・感想・評価
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私の色
某アイドルグループの曲を思いだしてしまいましたが主人公?のトツ子は他人の色見ることが出来る能力を持っている少女。
全体的に穏やかな雰囲気で大きな展開がなく進むのでお話としては物足りなく感じるところもありますが、久しぶりにストレスを感じることなく観ることが出来ました。
あえてストーリー的に問題があるとすれば楽器経験がほとんどない子が「バンド入ってください!」と言い出すところはちょっと無理があるかなと感じました。
最後に自分の色を少し見ることが出来たのは良かったかな。
あと余談ですがエンディングのミスチルは唐突すぎて合ってなかった。
まあ人気バンドを使うことで人を呼べるからというのはあると思いますがね。
劇中の曲をエンディングに使ったほうがしっくりいったような気がします。
水金地火木土天アーメン!トツ子の特異体質の設定は必要か?
2024年映画館鑑賞85作品目
9月13日(金)イオンシネマ新利府
ACチケット1000円
監督は『映画 けいおん!』の山田尚子
脚本は『映画 けいおん!』『ガールズ&パンツァー 劇場版』『若おかみは小学生!』『きみと、波にのれたら』『のぼる小寺さん』『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』『ブルーピリオド』の吉田玲子
ミッションスクールの寄宿生である日暮トツ子は人が色に見える特異体質
幼い頃は地元でバレエを習っていた
そんなある日みんなから慕われていた同級生の作永きみが突然学校を辞めてしまった
古書店で働くきみを見かけたトツ子は彼女と再会
客としてやってきた影平ルイも加え3人でバンドを組むことになった
バンド名は古書店の名前から「しろねこ堂」
クライマックスはミッションスクールの学園祭「聖バレンタイン祭」のステージで演奏を披露するしろねこ堂
淡いイラストが好き
人物だけでなく背景とかテーブルの上の静物とか
こういう絵が好きなんだよ
『ウマ娘』のようなうざい絵は嫌い
申し訳ないけどはっきり書いちゃう
話が全体にほんわかしてる
トツ子の特異体質のおかげで幻想的でもある
ピントがズレて焦点が合うシーンが多々あったがそういう独特な表現嫌いじゃない
配役
人が色に見える高校生でバンドではキーボード担当の日暮トツ子に鈴川紗由
古本屋に勤務している中退したトツ子の同級生でバンドではボーカルとギターを担当する作永きみに髙石あかり
離島に住む音楽好きな青年でバンドではテルミンとオルガンを担当する影平ルイに木戸大聖
トツ子のルームメイトで食いしん坊の百道さくにやす子
トツ子のルームメイトで変わったもの好きの七窪しほに悠木碧
トツ子のルームメイトでモノマネ上手の八鹿スミカに寿美菜子
きみの祖母の作永紫乃に戸田恵子
ルイの母に井上喜久子
トツ子の母に佐々木優子
校長先生に木村有里
シスター樹里に一龍斎貞友
シスター日吉子に新垣結衣
教材の映像ナレーターに増谷康紀
バレエの先生に森なな子
映画館で観てよかったと思いました
山田監督の以前のアニメ作品に好きなのがあったため、気になっており観に行きました。
山田尚子監督の作品は、色彩や描写の仕方がすごく好きで、映像も音も心躍らせるものがありました。
すごく満足感のある作品だと感じました。
物語としては、多くを語りすぎないところが好きです。
色と音楽の融合
山田監督の魅力いっぱい
時間と金の無駄だった
きみちゃんって高校中退をずっと黙っていたわけ。
そもそも保護者と思しき祖母に内緒で高校を辞められるのかと言う疑問が一つ。
仮に他に保護者がいるとして、ずっと祖母には隠していたのを、中退した報告と同時に、バンドやってるから観に来て欲しいなんてお願いをすることがあり得るのか。
あり得たとして、すんなりと祖母が「OK!」ってなるとも考えられない。
日本で高校を卒業できなかった場合って、ものすごく生活に制限がかかるのに、軽く扱われていてモヤモヤする。
終いには、医学部に進学する彼に向かって「頑張れ!」と大声でエールは送るが、自分自身が進路をどうするのか不明なまま。
重大な問題のはずなのに、あまりに軽いよ。
これを評価している人たちは、世の中を随分甘く見てるんじゃないか。
実際に高校を卒業できなかった人たちの生き方って本当に大変なんだから。
アニメ作家から絶賛の声!
みたいな記事があるけど、アニメ会社って持ちつ持たれつだから、助太刀の評価はするでしょう。
ただ、そのせいで己の信用を無くすかもしれないってことには気を付けてほしい。
こんな金返せレベルの作品には、滅多に出会わない。
私の中で15年ぶりの悲劇だよ。
音楽が良い
すいきんちかもくどってんあーめん♪の曲が最高にかわいい。
キリスト教の学校的には許されるのかしら?と思いながら、ちょっとヒヤヒヤしながら聞きました(←全然平気みたいでしたが)。
他の曲もなかなかにかっこいい。テルミンの音色も素敵でした。
主人公の子は、絶対、黄色かオレンジだと思っていたけど、
まさかの情熱の赤でした。
リアルとファンタジーの境界が微妙なところもあったけど、
全体には甘苦い青春成長物語。
楽しめました。
終盤のみんなで踊るところ、ロッカーの先生には、はっちゃけて欲しかったな。
わたしたちの色、わたしたちの音
よかった
主人公がぽっちゃりしていて、うちの娘が高校生になったらこんな感じだろうかと思うとハラハラする。彼女はまっすぐ成長していて、そんな感じでいてくれたらいい。お友達の彼女は特に理由もなく学校を辞めたようで、中卒だぞ大丈夫か。離島で暮らす男の子はそれなりに勉強はしていたようだが特に苦労もなく医学部に合格したようだ。そんな彼らがバンド活動を始める。
今時なのか、キーボード2台とギターという編成だ。ベースもドラムも打ち込みで、演奏がめちゃくちゃうまい。もうちょっと素人っぽいタッチミスや音程を外すところなどかわいらしい演奏が見たかったのだけど、初ライブなのに緊張もあまりなく完璧だ。
高校生たちの負の側面がまったく描かれず、悪人も登場しない。主人公は人の色が見えて、きれいな色の人に魅かれる。汚い色の人はどんな色なのだろうかと思ったらそんな人も色も登場しない。差別的な表現になるから避けたのだろうか。
主人公は乗り物酔いがひどくて、日光への修学旅行をズル休みする。長崎から栃木に修学旅行なんてするのか。遠すぎないか。
この映画を見て音楽を初めてみたいと思う人がたくさんいそうだ。
授業の動画で太陽の周りを惑星が回転しながら、太陽も移動していくのを初めて見て、意表を突かれる。太陽は固定していて動かないイメージだった。
この映画自体が聖歌なのかも
良かった点
・ノリと勢いでバンドを組む点
・曲作って発表するの楽しそうに見える
ちょっと…な点
・水金…のダジャレ的な歌詞が恥ずかしく感じる
・ルイくんが抱きついてくるところ、合宿に自分も残ると言ってきたところが気持ち悪く感じてしまった
・学校辞めるのってそんな簡単??まーあんたは学校やめて暇な店でぷらぷらギター練習してても可愛い女の子からバンドに誘われ、将来医者と結婚するんでしょーね!と思ってしまった…笑
いや、意外と二度と会わないパターンもあるかもしれない…(現実だとそうだよね)
でも、色々端折ってなんかふわふわした世界なのは、監督の描いたユートピアだからかもしれないと思った。この映画自体が好きなことを歌った聖歌なのかもしれない。だから、特に何も起こらない現実世界と創作のファンタジーが混じった感じでこれはこれで良いのです。
普通に楽しめました(^^)
静かに物語が進み、最後の演奏シーンでは本物のライブ会場の音響さながらに、大音量で音楽が鳴り響きます。
まるで今までガマンしてきたかのように爆発するサウンドは、本当に今風(悪い意味ではありません)。
「けいおん」とは隔世の感がありますが、自分はこちらの作品の方が好きかな。
うーむ🤔
それまで映画館で何度トレイラーを観ても心躍る要素がなく、全く観るつもりのなかったこの映画を観てみようと心変わりしたのは、朝の情報番組で自称(?)映画通の細田佳央太が絶賛していたから。トレイラーでは見られなかった他のシーンが流れ、ノリノリの『水金地火木土天アーメン♬』とミッション系お嬢様学校の女の子と思われる子がくるくる回りながら楽しそうに歌ってて。その曲も含め、終盤の学祭でのライブシーンはたっぷり10分時間をとってる、と聞いたらなんか興味湧いてきて。だから、よりによってIMAXで観たんだけどさ。失敗だったな……
なんかアニメーションの動きが雑。
そして変に特徴的な動きする。
どっかで観たことのある気持ち悪い動きだな〜と思ったら『犬王』か💦
あれは時代背景からしてもかなりファンタジー寄りの作品だったからクネッた不思議な動きしててもまだ許せるんだけど、高校生がバンドで演奏してる時にキーボード男子が体揺らしながらたまに空中浮遊して演奏ってありえんやろ。
冒頭に時間を割いて説明されたトッコの“色での解釈”。
映画のタイトルにもなってるほどだし、さぞかし大切なファクターなのだろうと思っていたけど、そんなこともなかった😅
そして肝心のお目当てだった学祭ライブのシーン。
『水金地火木土天アーメン』は良かったんだけど、それ以外の2曲が曲調違いすぎたー😭それぢゃなかったんよね、求めてたんは。
全体で100分と短い映画だけどあまりに何の障害もなく(いや、家庭の事情的なのはあったけど、それも知らぬ間に解決してるし)、淡々と話が進み、何を伝えたい映画なのかがあたしには全く伝わってこなかった〜
きみちゃんのおばあちゃんがライブにロックな出で立ちで現れなきゃ星2点台だったかな💦💦💦
これから高評価の方々のレビューを拝見してあたしでは理解できなかったキラ✨️ポイントを探っていこうと思います!
癒しの世界
平穏すぎて物足りなさも覚える半面、明るい色合いで描かれた心優しき世界がじわじわと広がってゆく独特な感覚は、けっこう心地いい
普通からはみ出すことを恐れ、周囲の期待に合わせてしまう。ティーンエージャーに限らず、自分を抑えがちな全ての人たちの背中を押してくれる物語だ。「映画 聾の形」、テレビアニメ「平家物語」などの山田尚子監督の最新アニメーションです。
●ストーリー
海に面した街のキリスト教系女子高校3年に在学する日暮トツ子は(声・鈴川紗由)、会う人固有の「色」が見えるという特殊な感覚を持っていました。寄宿舎で生活するトツ子はほかの生徒からは少し浮いた存在でしたが、「きれいな色」を感じた同学年の作永きみ(同・高石あかり)には密かに憧れを抱きます。しかしきみは突然学校に姿を見せなくなり、退学したらしいと生徒の間では話題にされていました。「本屋で働いているのを見た」という噂をもとに、トツ子は市内の本屋を探し回ります。そしてついにある古書店できみに再会するのです。ちょうどそのとき店を訪れていた男子高校生の影平ルイ(同・木戸大聖)が、きみに対してトツ子とバンドを組んでいると誤解して話しかけてきます。トツ子は「バンドのメンバーを募集している」とその場で持ちかけ、2人から賛同を得ます。
街から離れた島に住むルイをトツ子ときみは訪ねます。ルイは音楽の練習に使っている廃教会に案内して3人は意気投合します。以後、日曜日に3人は廃教会で練習し、ルイの提案でオリジナル曲を作ることになります。トツ子は、きみに憧れる思いを太陽系の太陽と惑星にたとえた歌を着想します。
一方きみとルイにはそれぞれ抱えた悩みがありました。きみは退学したことを世話をしてくれている祖母に隠しており、ルイは離島の診療所で医師を務める母の後を継ぐことを求められて音楽活動を公にしていませんでした。トツ子は修学旅行を仮病で欠席し、「修学旅行中」という建前で行く場所に困っていたきみを寄宿舎の自室に招き入れます。しかし、学校関係者に発覚してしまい、トツ子ときみは1か月間の奉仕活動と反省文の提出を課せられ、ルイのもとにしばらく通えなくなってしまいます。
学校に勤めるシスターの日吉子(同・新垣結衣)は、偶然きみの古書店に立ち寄り、反省文を歌にすることを提案するとともに、学校の聖バレンタイン祭にトツ子とバンドで出ることを勧めます。
クリスマスにトツ子ときみは島に渡ります。しかし天候が悪化して船が欠航となり、ルイの世話で廃教会に泊まることになります。トツ子が電話をかけてきた日吉子に事情を説明すると、日吉子は自分が何とかするから「合宿」していなさいと返答します。その晩はルイも廃教会に泊まり込み、3人は心に抱えていたプライベートを話し合うのです。
果たしてそれぞれが抱えた問題は解決するのでしょうか。そして聖バレンタイン祭に無事演奏はできるのでしょうか?
●解説
まずは理屈で筋を追うより、感覚を研ぎ澄ませて、ゆらめく色彩に陶酔すべき作品です。
バンドの練習場所は離島の古教会。長崎の街や五島列島の透明度の高い海などの実景から着想を得た背景に、みずみずしい色が重なり合います。移ろいゆく光、その一瞬を捉えた水彩画の質感。色で人を識別するトツ子から見た世界を表現したのでしょうか。そんなとっぴな設定もアニメーションだからこそ自然に表現できたのかもしれません。
問題なのは、きみもルイも美しい色を持っているのに、どこか陰を帯びていることです。家庭の事情で好きな音楽を我慢しているからなのでしょうか?でもバンド活動を通じて自分に向き合うにつれ、精彩を放っていくのです。若さが秘める無限の可能性と感受性の豊かさが伝わってきます。本作のもう一つの要である「音」が加わることで、ぼんやりとした色に輪郭を与え、学園祭のライブで盛り上がりはピークに達します。
ほろ苦い青春群像劇は、山田監督の得意分野といっていいでしょう。脚本はテレビアニメ「けいおん1」シリーズからタッグを組む吉田玲子。ライブの高揚感に対し、過程で描かれる3人の感情の起伏が乏しいように感じましたが、物事をサラリとこなすスマートさのほうがリアルなのかもしれません。利害を超えた、トツ子ときみの女の子同士の連帯感の強さも現代的といっていいでしょう。思春期のもろさとしなやかさを併せ持つ等身大の10代を造形しています。
ところで、相手の色に敏感なトツ子も、自身の色だけは見えません。本作における色は「個性」に置き換えられるのではないでしょうか。異なる個性と交わり、時にぶつかることで形作られるのが、自己だからです。模索し続ける自分らしさ、というメッセージは万国共通。本作が出品された仏アヌシー国際アニメーション映画祭や上海国際映画祭では、手拍子がわき起こるなど会場が一体となったというのも納得ですね。
秘密を抱えた3人が音楽でつながり、曲を奏でることで解放される青春音楽映画ではありますが、障害や葛藤を乗り越えて舞台ではじける、という一直線の展開にはなっていません。天真らんまんで楽天的なトツ子を中心に、3人は穏やかに友情を育み、音楽の楽しさを体験してゆくのです。周囲の大人たちも壁となって立ちはだかるより、叱咤激励する存在として配されています。
このへんが平穏すぎて物足りなさも覚えると評価の分かれるところです。半面、明るい色合いで描かれた心優しき世界がじわじわと広がってゆく独特な感覚は、けっこう心地よいけど、睡魔に注意です(^^ゞ
●感想
キリスト教系の女子校に通うトツ子は、2人の友人とバンドに興じます。しかし彼らの音楽活動が、葛藤や挫折や苦悩をともなわないのは、最初から趣味の範囲に留まっているからでしょう。クライマックスが趣味の祭典としての文化祭における演奏であるのもそのためです。初期の「けいおん!」と同じく趣味の肯定なのです。
ルイは家業としての医師を継ぐことを半ば強制されていました。彼は、そうした家の期待に逆らおうとせず音楽を趣味と割り切っていたのです。人物たちの大人しい利口さにはまったく葛藤など感じず、ただ趣味として楽しんでいるだけなのです。
ヒロインが歌う「カントリー・ロード」の歌詞にある「あの街」とは、現実とも理想とも解釈できる「ここではないどこか」。外の世界を目指す意思が歌われていました。
どんな趣味も、外にある「あの街」の存在を意識するときに、輝くものではないでしょうか。
但し本作は悩みを抱えた10代の男女3人がバンドを始める物語ですが、「成長」や「恋」の一歩手前の淡い移ろいを描くことが、ストーリー的には盛り上がりを欠いて、見ていて退屈しました。なにかハラハラ、ワクワクさせてくれる要素が欲しいところ。でも映像は圧倒的に美しいので、心が折れそうになった時、癒される効果のある作品でしょう。
プロデューサーは「君の名は。」で新海誠監督をメジャーに引き上げた川村元気であることも本作のカラーを決めている要因だと思います。猫が消えたりしませんけどね=^_^=
普通の子たちのちょっと特別な出来事
罪を犯している人が誰もいない悪い人のいない起伏の乏しい作品と言われがちというか制作スタッフも近い話をしていているけど、普通の人にも物語はあり、普通の人にとっての悪い判断、ミスはあってその罪をどうするのかという命題が作永きみの罪として描かれている。
トツ子にしても両親を避けて学校休みにも帰省しない。そんな娘の選択を両親は咎めず見守っている事も描かれているし、影平ルイもまた音楽の趣味を隠して母親を心配させまいとしているがこれもまた彼にとっては罪と感じている要素でもある。
普通の罪だと思うんですが、彼らを結び助けたのがトツ子の特殊な共感感覚、色で人を見るところに起因するのが最大の物語の作為になっている。きみとの関係は美しい色に見えたから。それでボール顔面直撃と唐突で衝動的なきみの選択について何も知らないけども追いかけたくなって探すトツ子となった。
本作には恋模様はないと言われるけどきみはルイ気にしている様子は点描されている。それはしろねこ堂でまだ名前すら知らない時に始まり旧教会では三人で抱き合って驚き積み重ねられていく。だから最後の全力疾走が劇的になる。
物語観点での批判でカタルシスがない、登場人物に共感できないというものがちらほらあるけど、そうじゃなくて説明描写が最小限に削ぎ落とされていて、その上で自身の知識では解釈できない点を嫌に思ってるだけなんじゃないでしょうか。本作だと作永きみの選択行動に対して何故祖母に連絡が行かないのかという大きな違和感がある。祖母は「大事に育ててくれた」とはきみも言っているけど兄と共に「家を出て」祖母の家に住む事になった経緯は劇中では語られない。親が亡くなった訳じゃない事は言い振りで分かるのでそれで十分と監督は判断したんだなとは察せられる。本作の脚本はそのまま映像化された訳でなく絵コンテを切った監督によって大幅な改変(おそらく大半はシーンカットの方向だったはず。なお最後の港のシーンはロケハン後追加されたもので脚本にはないもの)があって、ノベライズで触れられている作永家事情が脚本由来なら絵コンテで落とされた説明要素という事になる。『リズと青い鳥』もストーリーの点描で説明せずいきなりこうだと言わせるところがない訳じゃなく『聲の形』も小学生編の硝子母親に会う将也母公園シーンはいきなり切断して別シーンに飛んでいるので監督が何もかも丁寧に整合させなきゃいけないと思ってない、それよりは流れ、リズムを重視する人なんだろうとは思う。
本作は何回か観ていますが見れば見るほど味わいは深まる。何もない訳じゃなく、普通の人として登場人物たちが作られていて人としての愚かしさや賢さを見せながら四季が巡っての1年間、三人が出会って仲間となって音楽に昇華させていく様子を体験できる。背後で描かれるクラスメイトや聖歌隊、シスターや先生、街の人たち。動いてない人はいないし何かしら意味ある会話をしてもいる。淡い色調、大胆なフェイスアップ時の片寄レイアウト、足元へのこだわりなど積み重ねたリアルなアニメーションは京都アニメーション時代から培われて進化してきた山田印とでもいうべき作家性で今後もっと評価されていい作品だと思うけどそれにしても封切り規模、IMAX公開は驚きではありました(でもIMAXでなくても音響こだわりのあるシアターならそれぞれ味わいある鑑賞体験になると思うので、京都の出町座(30日まで)か埼玉のキネ旬シアター(年始休館日挟んで1/3まで)がまだやってるので行ける方はオススメです!
期待通りの山田尚子作品
まずは山田尚子監督にこの作品を作らせてくれる日本の映画界、アニメ界に感謝したいです。正直この映画は商業的な大ヒットは難しいと思いますが、ひたすら美しい画(え)で観客に引き込んでくれます。どこまでも柔らかい繊細な画をアニメという媒体に落とし込む労力と凄まじい作画カロリーに感激です。作品のテーマが音楽なので音もすごく良いです。
特に劇間に挟まれる長崎の美しいの風景がすごく良いです。
傾向的にはテレビアニメ平家物語やリズと青い鳥に近い作品なので、かなり芸術映画的な作品なので、ストーリーもふんわりしているし、キャラクター描写もふんわり繊細な感じでスッキリ見れる作品が好みだと合わないかもしれません。
ラストはやっぱり走ります。
リズと青い鳥は走ってたっけ?
現実
日常系アニメ、というジャンルが確立して久しいが、個人的にこのジャンルの最名手である山田尚子監督の作品である。監督らしい青春の瑞々しい切り取り方、アニメ的キャラとリアリティの結び付け方は秀逸だと思う。
穏やかで天然系の主人公・トツ子、思いつめすぎる女の子・きみ、母親に将来を決められた男の子・ルイの三人が話の中心で、その三人がバンドを組み青春を見つけ、心の成長を遂げていくストーリー。
正直、なんでもない話と言えばなんでない話である。けれど、そこに何かキラリと輝くものが感じられる。一応の話の盛り上がりとしては三人のバンドが学園祭のステージで曲を披露する所が山場だしメインビジュアルにも使われているが、話としてはその前の合宿のシーンが重要だった気もする。どこが好きか・盛り上がったかは人にかなり別れるのではないか。
引っかかった最大のポイントは、ルイの心情がほとんどわからないというか何を考えているか理解できなかった。やたら細く描かれているし、女子二人を何とも思っていない様子だし、「実は性同一性障害だった」、とかそういうオチになるのかな、と勘繰ってしまう程だった。自我が無いように見え、しかも周囲(特に女性)の言いなりになる感じ、瀬尾まい子の小説で同じようなモヤモヤを覚えたのを思い出した。
勉強のストレスで音楽にのめりこんだ、という説明があったが、自作の曲を作りつつ多分医学部にも合格してるって凄いな、いや、アニメにそこの現実感は求めていないけども。ストレスのはけ口に音楽を選んだきっかけはもう少し丁寧にやって欲しかった気もする。
きみが学校を辞めた理由とかきみがルイを好いている部分も曖昧にされすぎてストレスに感じた。あんな真面目な女の子が学校を辞めるというのはかなりのエネルギーを発揮しないと無理だと思うのだが、そういったエネルギッシュな描写が殆どないのも引っかかる。
明確に描く事も良し悪しだと思うし、ニュアンスで伝えるのも良し悪しだと思う。このあたりのさじ加減は正直好みでは無かった。
昨今、日本のアニメは隆盛を極めている。新海誠が注目を浴びたり鬼滅の刃や呪術廻戦やゲゲゲの鬼太郎が大ヒットを飛ばしたり、映画館に行ってもアニメ作品が非常に目立つ。その風潮を否定したいのではない、むしろ戦国時代にあってアニメ映画を作るのは非常に大変だろう、と素人ながらに想像する。そんな中、キラリと輝く独自色を持って映画を作り続ける監督は応援したいし今後も観たいと思う。
期待しすぎた
snsの評価が良かったので何も情報入れずに見に行ったけどイマイチ。
バレエ
学校を辞めた理由
辞めたのに保護者に一才連絡をしない学校
適当なとこがある学校なのに何故か厳格さもある
色が見える設定
わざわざ船に乗ってまであの本屋に来た理由
謎のテルミン
他にもあるけれど全てが中途半端な状態で特に意味があったかと言われればなくても成立しそうな小道具や設定で消化不良。
エンドロールのミスチルも絶対いらなかったしこれなら作中曲流してた方が100倍いい。
川村元気の入れ知恵か?と感じた。知らんけど。
すごく美しい映画だった!
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