劇場公開日 2024年8月30日

「何とも暖かい青春物語」きみの色 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0何とも暖かい青春物語

2024年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

山田尚子監督作品。
そして脚本は吉田玲子という、実にわくわくする組み合わせ。
作品に寄り添うような柔らかな作画が印象的で、目元は特に印象的。そして何より全体のトーンが実に美しい。
これはタイトルにもあるように、きっと一番こだわったところなんでしょう。
あと驚いたのが制作がSARUだったことです。そのタッチもあって移ったこと忘れてましたよ。
牛尾憲輔の音楽もすっかり監督作品に馴染んでいましたね。バンドのエレクトロな音ともすごいリンクしてました。
作品は少年少女のバンドを通じた青春物語。
バンドの位置付けも思ってたより全然ゆるくて、とてもふわっとした感じ。それはバンドのサウンドにも出てました。
あと主人公のトツ子。見た目地味だけどとても魅力的で、彼女を中心に綺麗に物語が回ってました。
CV(俳優?)は知らなかったのですが、声も芝居もすごいあってましたよ。
ラストのライブも彼女の動きが際立っており、ずっと見てました。
キーボードの弾き方なんて最高で、可愛いったらないですよ。
あと親友にきみ。CVはまさかの髙石あかりでびっくり。
また楽曲も個性的で、何と言っても「土天アーメン」ですね。すごい残る曲でした。
また挿入歌で「Born Slippy」入れてくるのも上手い。実に監督らしく、印象的なシーンでした。
抱えた悩み、憧れから育った友情、一歩を踏み出す勇気と成長、そして別れ、何とも暖かい青春物語でした。

白波