劇場公開日 2023年1月27日

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「ホラー映画タッチの変わった戦争映画」バトル・オブ・サブマリン せきれいさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ホラー映画タッチの変わった戦争映画

2025年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

WW2開戦初期における、ポーランドの潜水艦の活躍を描く作品。

乗組員のそれぞれの人生や個性を垣間見せながら、不気味なタッチで敵の支配下の海中での冒険が進行していく。

まずポーランドの潜水艦が舞台というのが珍しい。他にも個性的な部分が沢山あり、邦題のつけかたが安易というか、雑すぎるというのが第一印象。

原題は『オジェウ』で、ポーランド語の鷲という意味らしい。それを『バトル・オブ・サブマリン』っておま…。『SLAM DUNK』を『バスケットボール』というタイトルで公開するようなもん。

時折、船室の中を船窓や潜望鏡のガラス越しに覗いたようなボヤけたシーンが度々登場し、まるで怪物につけ狙われるホラー映画である。敵も味方も潜望鏡ごしか、遠くの影として登場し、回想シーンすらないので、全編を通して舞台は潜水艦内とその周囲である。このため、外の状況が全く分からず、いよいよホラー映画の手法である。

潜水艦については詳しくないが、道具やセット、描写などはリアルに感じた。荒れた海での船酔い、潜航中の息苦しさ、敵が見えない怖さ、狭い艦内での生活など、高いストレスに晒され続ける過酷な戦場がよく描けているのではないだろうか。

しかし、好みが分かれると思うが、作り手が拘った部分は余計に感じる。恐怖を煽るためのホラー要素に違和感があり、説明不足で妙にくどい。

戦争映画の良し悪しの決め手となるカタルシスや感動も当然ないので、戦争映画好きにお勧めできる感じでもない。

こういうアプローチの戦争映画もあっていいとは思うが、邦題通りの内容を期待した日本の観客をガッカリさせたのではないだろうか。

せきれい
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