劇場公開日 2023年2月17日

  • 予告編を見る

「せつなくて、心がギュッとなる。子役の演技が素晴らしい」いつかの君にもわかること スクラさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0せつなくて、心がギュッとなる。子役の演技が素晴らしい

2023年2月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

もし自分がまだ死を理解できないぐらいの幼い子を残して、余命いくばくもなかったどうするだろうか。
自分が親になったとき子どもに死をどうやって伝えられるだろうか。
不治の病に侵された父が自分の死後、息子を家族として迎えてくれる養子縁組先を探すのがストーリーの大筋。

別れはが着実に一歩ずつ近づいてきいている焦りの中で、
最善の養子縁組先を見つけたいという答えのない問いに悩む父親の姿が辛い。

4歳で叔母が亡くなったときのことをふと思い出した。私は死を理解するのが早かったみたいで、
はとこたちが叔母の死が分からず、きょとんとしている中、一人だけワンワンと泣いていたらしい。
ベッドに横たわる叔母に最後の挨拶をした記憶も残っている。
だからこの映画の4歳って設定がとてもリアルに感じた。死を伝えるにはまだ早いが、けっして理解できない年齢ではない。
「何かが違う。何かが起こった。」そんな微妙な空気を感じ取るには十分な年齢だと思う。
映画では息子演じる子役の演技がすごかった。この絶妙な空気を感じ取り、彼なりの反応を示している。
演技とは思えないほどのリアルさがあった。

せつないけど、父と子の一瞬一瞬の大切な時間が詰まっている映画だからたくさんの人に観てほしい。

スクラ