「砂漠のトカゲたち。」最後まで行く レントさんの映画レビュー(感想・評価)
砂漠のトカゲたち。
砂漠に住むトカゲには体の表面にある無数のとげで空気中の水蒸気などをキャッチしてそれが体の表面を伝い水分を口まで運んでくるという、何もしなくても水分補給ができる種類がいるそうだ。
砂漠の暑さに足を交互に上げ下げするトカゲたちを尻目にちゃっかり自分はおこぼれを頂戴する。そんなずる賢い仙葉が工藤たちを背後で操りまんまと大金をせしめる。
オリジナルが優れた作品だと、見比べられて劣った所がついつい目に行ってしまうのがリメイクの宿命だ。
優れたリメイク作品とはオリジナルとは比較されない作品をいうのだと思う。
韓国版のオリジナルは秀逸な娯楽作品であり、各国ですでにリメイクされてるがどれもこれもオリジナルをなぞっただけのものであり、独自色を出したものはなかった。
その点で本作はかなりアレンジが加えられており、オリジナルとは別物として見れる作品になっている。
オリジナルに比べられない優れたリメイク作品とは、ただなぞるだけでなく独自色、作り手の色を出せるかどうかであろう。そういう点で本作は充分成功している。オリジナル未見の人間ならかなり楽しめたのではないか。
もちろんオリジナルとは違い、主人公を追う悪役側の視点も描いており、オリジナルが持つ疾走感は失われているが、この点についても別物として楽しめるように作り手側が工夫したといえるだろう。
本作に関してはオリジナルと比べてどうとかいうのはナンセンスにさえ思えてくる。そして見るものにそう思わせた時点で勝ちなのだ。
実際、そのためにキャスティングされた綾野剛は悪役として魅力的であり、いい仕事をしていた。
大晦日を舞台に設定したのはあまり作品を盛り上げる効果はなかった気がするが。あのカウントダウンに絡めたバックブリーカーのシーンやりたかっただけなのかな。
普通によくできたクライムアクションとして楽しめた。ただ、綾野剛は死体と一緒にカードキーの受け渡しをなぜしなかったのかな?忘れたのかな。
今晩は
今作、私は韓国オリジナル版と見比べたのですが、(レビューには書いていませんが)藤井監督バージョンもナカナカだなと思いました。(実は凄い好き。)
あと、「怪物」へのコメント有難うございました。ラストの解釈は全く個人的な感想ですが・・。
これからもよろしくお願いします。では。