「アラカブの味噌汁は旨いよね」水いらずの星 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
アラカブの味噌汁は旨いよね
男と女は九州の佐世保で6年前まで夫婦だった。福山に逃げた女は3年前にさらに坂出に逃げて来てスナックに努めている。
そこへ夫がスナックで雨の中出待ち。女の部屋の前までに来た二人。
全身びしょびしょに濡れているのにアパートは風呂なしなのか、頭をタオルで拭くだけ。すぐにでも熱いシャワーを浴びながらのHシーンだなと思っていたので、肩透かしを食らったことより、二人がとても気の毒になってしまった。
男が肝臓に転移している大腸癌だと告白するまで25分。
女が福山で経験したことを話すまで1時間。
R15+⁇?的なシーンは160分を超える尺の割にはほんのちょっとだけ。
タバコ(ハイライト)は全部吸い終えて、男が撮った写真を女が素直に聞く場面はカラダを合わせた後だからからかと納得。レンタルビデオショップの同僚の双子のネパール人の話はとてもなごんだのだが、女の覚醒剤の話になると会話が噛み合わないシーンが続いて、シーンが変わると大量のスプーンが。普通あんなにスプーンないよ。
アラカブ(カサゴ)に生まれ変わるという男。
だんだんレプリカントとかアンドロイドとか言い出して、右目にスプーンを当てたから視力検査かと思ったら、水が滴る。もともと雨漏りしている場所だから?いやいや目玉がポトリ⁇あちゃー。ホラー映画の展開?海に浮かぶ漁船のうえで目を覚ました男と病院の廊下のベンチで包帯ぐるぐる女が会話するシーンに。エベレスト、チョモランマが海抜3センチ?バレリーナの爪先でも一人が精一杯。女がおい、キタロウなんて言う。
鬼太郎の目玉の親父の前日譚か?
2000年の演劇の映画化。
舞台で水びたしだと、最前列のお客さんにビニールシート渡してやるとかで盛り上がるけど、映画だと面白みにかけてしまい、ちょっと厳しかったような。それでも主演のお二人の最初のぎこちなさから次第に腐れ縁の感じになる様は、こんな別れ方があるとすれば、こんなふうに世界を水没させるほど泣ければいっそ幸せなのにねぇ。けっしてバッドエンドでもハッピーエンドでもない大人の理想だね。
泪壺。
涙の河。
マギーミネンコ。
河野知美さんは私生活ではもっとエロいに違いないと思いながら、不発弾処理班を向かわせなければと新宿武蔵野館を後にした。