テイク・ユア・ピル トランキライザーに潜む闇のレビュー・感想・評価

全1件を表示

5.0これは日本では(一般の映画館では)放映できない?

2022年12月4日
PCから投稿

今年353本目(合計628本目/今月(2022年12月度)6本目)。

 ※ 基本的に、ここに紹介されていても、映画館での放映が一切なく「netflixのみ」の映画であるものはレビューは書かない方針ですが、特殊な論点があり仕方がない一面もあるので(以下参照)書いておきます。

 ネットフリックス契約者は無料で見ることができる映画…というよりドキュメンタリー映画…というより、ドキュメンタリーかな?
ネットフリックスの「それらの作品」であっても、トランキライザー(抗不安剤、抗うつ薬など)に関して「製薬業界叩き」をすると大変なことになるので、とにかく淡々と進むだけで広い意味で映画とは言い難いし「ジャンルが何なのかも怪しい」です。

 まぁしいて言えば、2020年の「素晴らしき、キノコの世界」(だったか、キノコの菌が精神に働いてうんぬんという話を突如始める映画。こちらはミニシアターでも放映されていた)に近い状況です。

 日本の映画館で公開できないのは結局、日本特有の問題ではなかろうかと思います。

 タイトル名原題が「Take Your Pills: Xanax」であることからもわかる通り、いきなり固有名詞 Xanaxが登場しますが、日本でも承認されている「抗不安剤」です(日本では「コンスタン」)。

 また、おそらく日本の映画館で公開できない…というか「公開不可能」に近い事情として、日本とアメリカとでこれら薬の使用方法がまるで異なるという事情が存在します。
つまり、映画内では「ベンゾジアゼピン系の抗不安剤」としていろいろな薬が登場し、その依存性などを説くストーリー(というか、ストーリーが存在するかも謎…)ですが、「日本国内では」これらの薬は大半、「睡眠剤」(睡眠導入剤)での扱いだからです(一部除く)。

 また、日本とアメリカとでは薬の管理に関する法制度でかなり差があり(日本が単に緩すぎるだけ)、日本は基本的にベンゾジアゼピン系(一部はそれらに属さない薬もあり)の睡眠導入剤、抗不安剤などは基本的に「第三種」の扱いで「もっとも緩い扱い」です。唯一の事実上の例外が「フルニトラゼパム」(日本では、「ロヒプノール」の名称で処方される。第二種)にすぎません(日本で一般的に扱われる睡眠導入剤等で第一類扱いのものはありません)。

 ※ フルニトラゼパム(ロヒプノール)は唯一の第二種扱いで、これは日本国内では特に犯罪に利用された事情があるため、現在では水に溶かしたりすると着色するように工夫されています。

 一方、アメリカはとにかくこの制度が厳しく、日本とは同レベルではありません。日本ではちょっと睡眠が不足しているなぁと思えば内科でも心療内科でもこれらの薬は普通に処方されますが、海外はとにかく厳しく、仮に処方されてもごく最低限の日数にすぎません(日本では原則30日、一部14日)。

 つまり、日本とアメリカでそもそも「これらの薬に対する法制度、考え方がそもそも違う」上に、「一般的に睡眠導入剤として扱われるものが、映画内では抗不安剤として扱われている」など、そもそもの前提として「日本国内で一般の映画館で放映されることを想定されていない」タイプの映画で(もちろん、netflix発の映画でも趣旨にあうものは同時または遅れたりして映画館でも放映はされます)、そもそも論として、ここの「映画.com」にあること自体が摩訶不思議なのですが(日本では一定の知識がないと何がなんだか不明な謎のセリフが続出する)、ある以上は何かしらコメントは書いておこうというところです。

 映画館での映画でない以上、減点対象が存在しない(仮に映画館で何の断りもなく放映されたら大減点は免れないが…)ため、スコアのつけようもありませんが、評価なしにすることもできないので、便宜上のフルスコアにしますが、「この映画のため「だけ」に課金するのはちょっと考えたほうが良い」というところです。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
yukispica