「狭い村社会の闇」密事 閉ざされた村 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
狭い村社会の闇
ファーストカットが強烈。赤ん坊が子宮から出てくる瞬間をクローズアップで捉えている。いきなり頭を殴られたような衝撃から始まり、その後も強烈な展開が続く。赤ん坊を生んだ女性が死んで、子どもが残される。小さな田舎町で、母親は蔑まれ、生きるために多くの男性を関係を持っていた。父親は誰なのかというミステリーを通して、田舎町の人々の心の闇がこれでもかと噴出しまくる。死んだ母親と同級生だった主人公の女性は、なんとか赤ん坊を救い出そうとするが、やがて衝撃な事実に辿り着く。
主人公は、学校の校長の娘で裕福な家庭出身だ。裕福だから人を思いやれる余裕がある。こういう格差の現実を、韓国作品は本当に巧みに物語に取り込むことが多いが、本作もそこが出色。良い人/悪い人という分け方ではない、恵まれた人/恵まれない人という対立が強烈に描かれている。非常に鬱屈した内容ではあるが、人間社会の暗部を鋭くえぐる快作だ。日本アニメにはなかなかないテイストで新鮮。
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