「ピクサーが挑む現代版ロミオとジュリエット」マイ・エレメント うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
ピクサーが挑む現代版ロミオとジュリエット
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水と油が恋に落ちたらどうなるか?
こんな単純な思い付きをていねいに映画に仕上げたらこうなるのだろう。
それは、家柄だったり人種だったり、「分断」を強調される世界に強いメッセージを投げかける。崇高な理想を。その概念は良い。ただし、安易にキャラクターの「属性」みたいに描いてあるのはいただけなかった。
たとえば主人公のエンバーを考えてみる。
彼女は炎をあやつり、岩石をガラスのように溶かしキレイな花瓶をこさえたりする。
エンバーの恋人のウェイドは、自分の身体をくねらせて光を屈折させ、レンズになって火を点けたりする。
そんなキャラクターたちが、先祖伝来の灯を絶やさないように命をかける様子が、どうにも理解できない。ストーリーの重要なヤマ場だったが、自在に火をあやつれるのに、自然現象で燃え続ける火を絶やさないなんて価値観があるだろうか。
ついでに言うが、蒸発してしまったウェイドは水滴となって復活できるなんて、ありだろうか。
つまり、自然界にそれぞれ存在する炎と水と、何が違うというのか。
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