「“ポリコレ”に巻き込まれた不遇な作品」マイ・エレメント 青空ぷらすさんの映画レビュー(感想・評価)
“ポリコレ”に巻き込まれた不遇な作品
ディズニー+で視聴。
「アーロと少年」も手掛けた韓国系アメリカ人2世のピーター・ソーン監督が自身の体験を基に描いた作品で、水・土・風のエレメントが暮らすエレメント・シティと、火のエレメントが暮らすファイアタウンを舞台に、水エレメントのウェイドと火エレメントのエンバーの恋愛を描くラブストーリー。
気のいいウェイドの親戚が悪気泣く差別的な言葉をエンバーにかけてしまったり、二人の境遇の違いによるすれ違いなど、自身も異人種間結婚をしている監督ならではのリアリティーがある。
確かに「多様性」はテーマの1つではあるけど、メインはあくまで主人公2人のラブストーリーだし、ピクサーの他作品もそうであるように、この作品はピーター・ソーン監督の体験を基にした、極めて私小説的な作品だからこそ観ているこっちも物語に乗ることが出来るんだよね。
ところが親会社ディズニー(というかハリウッド全体)の、明らかに行き過ぎた昨今のポリコレの波に巻き込まれ、一緒くたに見られてしまったのは作品にとっても監督にとっても不遇だと思う。
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