劇場公開日 2023年8月4日

「ほんの少しの勇気で私たちは混ざり合える」マイ・エレメント かめさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ほんの少しの勇気で私たちは混ざり合える

2023年8月23日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

木、雲、水、火が共存するエレメントシティで異種族が恋に落ちるお話でした。
おそらく火がこの街では少数民族なんだと思います。

火の彼女と水の彼は、種族を除いても正反対で、感情が高ぶると癇癪を起こすタイプと泣くタイプだったり、お父さんと仲良かったり分かり合えないままだったり…。
そして火の彼女のパパは水の種族を毛嫌いしてる。水の家族は火の彼女を暖かく迎い入れてくれる。

中盤のデートシーンから、ことあるごとに泣いていました。歳かな…。
私は年齢的に手書きアニメーションだった時代のディズニーで育った世代です。
昨今、LGBTやBLM問題に気を遣いすぎてるのではないかと、実写版や舞台版の配役を見て言われがちなディズニーですが、決して昔からマイノリティへの問題を無視していたわけではないと私は思います。
ポカホンタスやノートルダムの鐘を大人になって改めて見ると、ディズニーは分かりやすい手法で問題を提起して、そして優しく「一見自分と違う人を受け入れよう」「彼らの魅力にあなたもきっと気付ける」と教えてくれています。
当時は今ほど世間の注目度が高くなかっただけ。
そして注目度が上がるにつれ、ディズニーも若干迷走しているのか、評価をあげようとしているのか、それは私にも分かりませんが、"ディズニーはマイノリティに配慮している"アピールを過度にしていくようになったように見えます。

でもさっ、これでいいんだ。
こういうのでいいんだよ。
こういうのがいいんだよ!!

ほんのさりげないシーンや設定が伏線になっていた脚本も細やかでした。
水の彼が熱心に火の彼女の話を聞いているときに、彼の顔にうっすら反射する彼女の映像も美しい。

そして、雲が作った潜水艦に火が乗り水が動かして木を見に行く、全ての種族が混ざり合ったあのシーンが特別に美しいの、
あれね、あれ、
こういうのでいいんだよ!!!!!

我々だって馬鹿じゃないんだから丁寧にあなたたちの思想を織り込んでくれれば分かります!から!!ちゃんと読み取ります!からね!!配役に気を遣っただけで「配慮してて偉いね~😊」と思われるようにせんでいいから中身に気を遣ってや!!!

俺たちが見たかったのはこういうディズニーだ。
100周年を記念したウィッシュの公開も近いですね。
予告ではファンが作ったから皆が見たいものが分かると言っていましたね。
マイ・エレメント以上に見たいものを見せてくれるのか、この作品を見たせいで期待値が上がったり下がったりしています。

まあホーンテッドマンションの方が楽しみなんですけどね!!

せった