「ドラマより面白かった」ミステリと言う勿れ 麻乃さんの映画レビュー(感想・評価)
ドラマより面白かった
田村由美さんの大ファンで、ドラマはあまり楽しめなかったのですが広島編が映画でやるとのことでとても期待していました。というのも内容がテレビでやるにはちょっとキツい描写が多いと思うので。
ドラマはコメディ要素多めで、私はそれが合わなかったのですが映画はコメディではなく気の抜けた緩さのような描写になっていたのでよかったです。原作漫画に近い雰囲気になっているなと思いました。
どこかのインタビューで原作者描き下ろしイラストが使われていると見て、鬼の集のところだ!と見てすぐ分かったので大好きな漫画家さんの絵をスクリーンで見れたのは感動しました。もうこれだけで満足したくらい嬉しかったです。
役者さんも素晴らしかった。特に汐路役の原菜乃花さん、この話は汐路が中心の話でもあるのでどうなるかと思いましたが、等身大の女の子で意思の強そうな瞳や子供らしい表情に魅入ってしまいました。そして松下洸平さん、彼も物語の重要な役でありながら前半は影の薄い存在で、でもしっかり車坂朝晴としてそこにいたのが良かったです。松下さんは心が純粋な人の役をよく見ていたのですが今作でもそれが良く出ていて、ハマり役だなと思いました。
しかし一番驚いたのはエンドロールで初めて気づいたダンディ坂野さん。脚本家の役ですよね?あまりしっかり顔が出てなくて名前を出されるまで気付きませんでした。ダンディ、年末年始のバーゲンのCM以来久々に見ました。
漫画から省略されている箇所があるのは仕方ないですけど、それでも一本の話として綺麗にまとまっていたしとても楽しめました。田村由美さんの漫画の緩くてほのぼのした雰囲気や、残酷なところはとことん残酷に描く落差が映像で見れて満足です。それでもやっぱり残酷ぶりは控えめかな…とは思いましたが。