「舞台はほぼ教会の部屋 登場人物も、かなり限られている 実際の事件は...」対峙 yukarinさんの映画レビュー(感想・評価)
舞台はほぼ教会の部屋 登場人物も、かなり限られている 実際の事件は...
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舞台はほぼ教会の部屋
登場人物も、かなり限られている
実際の事件は、彼らの話の中に出てくるだけ
淡々と進む会話劇
冒頭の神経質なほどの準備から始まり、当事者がやってくる
けれど、しばらくはどちらがどちらの親なのか、はっきりしない
ようやくどちらがどちらの親なのかが分かってくるが、話はいきなり核心に行かず、なんとなくさぐりあうような雰囲気が続く
互いに夫婦間で事前の準備や話し合いが行われてきたことが垣間見えるような、夫婦での牽制が入る
それが徐々に、感情を帯び、徐々に、核心に入っていく
この時間は、当初は、それぞれがなにかに納得したい、答えを得たい、というものに見えたけれど、最後まで観ると、ゆるしを求めていたのだろうと思えた
被害者の親は、憎むことで過ごした時間に終止符を打ち、憎む対象を赦すことを自分に許す
加害者の親は、赦されざることをした息子をそれでも大切な我が子でもあったと思う感情を持つことを自分に許す、こんな悲劇が起きる前に止めることが出来なかった自分を許す
赦しがなければ、つらく苦しい感情にとらわれ続けてしまうから
許すことで、歩き出せるから
でも、それを行うことの難しさ
そんな風に感じた
そして、加害者の親には、やはり責任を求めてしまう気持ちが働いたものの、観ていると、少なくともこの話の中の両親は、ごくごく普通の、どう扱っていいかわからない10代の子供に悩み、手探りで日々を過ごしていたどこにでもいる普通の親、にも見えた
ラストの加害者の母の告白もそう
どれほど自分を責めてきたのかがよくわかる
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