劇場公開日 2023年2月10日

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「余程じゃ無い限り今年のベスト1作品」対峙 お主ナトゥはご存じか!さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5余程じゃ無い限り今年のベスト1作品

2023年2月13日
iPhoneアプリから投稿

回想シーン無し 効果音無し 四人の会話のみ
最初に教会で場所をスタンバイしてる時点でティッシュの位置に至るまで神経質になってる場面ですでに緊張感が出てきて こちらも重苦しい雰囲気に飲まれてしまいます、
その後お互いの家族が会うんですが どちらが被害者側の親なのか加害者側の親なのかの説明もないまま気まずい雰囲気で始まっていきます、
会話や話し方でどちらが被害者側か加害者側なのかを考えながら見ないといけなくて
最初に説明一切無いのがここで生きて来るので
上手い脚本だと思わせられました
普通なら 事件のシーンなど描かれると思うのだがあえてそんなシーンすら無く会話での説明のみなので余計リアルに感じました、
先入観で加害者側に対して 子供も親も問題あるどうしようもない人間に決まってるという偏見で攻撃的な見方で見ているんですがそれが間違いだと後々になって気づかされる構成が見事です!
脚本が絶妙過ぎてのめり込んで見る事になるんですが
加害者側が必ずしも絶対悪で親にも問題ある訳ではない場合被害者側の親は原因を求めて追求しようとするが 必ずしも答えなんて出ないし 1+1=2って簡単に出せる答えでは無いって部分を見せつけてきます
加害者側の親も被害者だし 色んな悩みがあって言いたい事だってあるのに言える環境でも立場でも無いから更に苦しむというのも見て居て辛いです、
被害者の親が子供が生きて居た証が欲しいって言う問いには考えさせられるし 赦しとは? とか簡単に答えられないような話になってくるので映画を見終わってからグルグルと考え続けてしまいます!
と言う訳で内容があまりにも重くて深いテーマで考えさせられるので映画を見た後は何もする事が出来なくなるくらいです。
あと特筆すべきは実際の被害者家族のドキュメントを見てる感覚に陥ってしまい 映画を見てるとは到底思えないような感覚になってしまい 役者さん達の精神状態とか心配になるくらいヘビーな内容と演技なので
エンタメ性ゼロの作品だから誰にでもお勧めできる作品じゃないけど これは見てほしいですね
ちなみに劇場はラスト付近でほぼ全員号泣号泣号泣でした!
脚本に忠実に演技をして8日間で撮影されたという事だけど 被害者の父が加害者側の話なんて聞きたく無いって拒絶する部分は被害者の父の性格を考えると必要だと判断して追加されたという話ですが全く問題無いしあって良かったとおもいますね。
ちょっと感想を書くのもしばらく頭ん中を整理して
やっと書いたんだけど 自分のこんな感想くらいで語れるような内容では無いですね
あと映画を見終わってここまで色々考えた事無いってくらい考えまくりました、
今年まだまだ映画を見るだろうけど 自分ランキングでは上位に絶対に入るくらいの内容でした!
もう少し冷静になってじっくり考えて感想書き直しするかもです。

お主ナトゥはご存じか!
Marikoさんのコメント
2023年4月15日

観終わった後、しばらく包然と座っていました。
私も同じ母親として、どちらの母親の気持ちもわかるんですよ。
それだけにつらくてつらくて。

ゲイルが「息子を近くに感じたいから、あなた達を赦します。ヘイデンのことも、赦します」と涙ながらに言葉を絞り出したシーンは涙腺崩壊。

憎しみは何も生まないんですね

Mariko
2023年2月14日

冷静になって来たので色々手直ししておきます

お主ナトゥはご存じか!
Socialjusticeさんのコメント
2023年2月14日

おっしゃること全てに同意しました。私が書いたコメントをまとめて下さったように思いました。感激しました。
『導入部分の構成力が神ってる』この意味だけがわかりませんでしたが....

Socialjustice