「とにかく会話を聴く」対峙 monoさんの映画レビュー(感想・評価)
とにかく会話を聴く
アメリカで起きた銃乱射事件の加害者と被害者の親が繰り広げる会話劇。ワンシチュエーション型で、とにかく気まずく苦しいです。
2組の間にある大きな溝と認識の違い、「なぜ、どうして?」という答えの見えない問い。悲しみと怒りと、そして何とも言えない思いとが混ざり合っており、観ている側はただただその話を聞くしかない、聞かなければ何も分からないという立場に追いやられた感じだった。被害者の息子も死に、加害者の息子もまた自殺しており、双方やり場のない気持ち、責めたい気持ち、理解してほしい気持ち…。加害者少年が犯した罪の愚かさと、それが悪であることは十二分にわかっていること。では彼らは何を求めて対話をするのか、何を感じ何を話すのか、とにかく重厚感があり見応えたっぷりの会話劇。
キリスト教の要素がどれだけ影響しているのかも気になった。
コロンバイ銃乱射事件の加害者の母親の本を『息子が殺人犯になった』とも重なる部分がある。
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