マニブスの種のレビュー・感想・評価
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見方を変えると奇妙に見える
ある日届いたタネを育てると手が生えてきて意志の疎通が出来るようになった。主人公はその手とコミュニケーションをとって悩みを相談したり冗談を言い合う仲になっていく、、、
一見奇妙な世界に感じるが、やっている事は現実世界でAIに対してやっている事と同じなのではないか?と思えてくる。おそらくこの手はAIの隠喩で、見方を変えるといま広がりつつあるAI社会もこの映画と同じだよねというメッセージに感じられた。
コロナ禍で
マニブスの種
2022年の作品で、2021年に制作されたとあるが、これはつまりコロナ禍で作られた作品だということ。
この物語にはコロナ禍などというのは一切出てこないものの、監督はコロナ禍に影響されたのは間違いない。
そして、
気になってしまうのが冒頭の「指切りげんまん」の歌と、エンディングの「お忘れ物なさいませんように」の歌だ。
この2つの歌から連想するのが「忘れられてしまった約束」だ。
しかしこのこともまた物語の筋ではない。
私は初め、マニブスとはAIの代替なのかと思った。
しかし、
おそらくそれはミスリードで、この物語には袋綴じされたページがあるように感じた。
さて、
マニブスとはなんとも奇妙な植物だ。
人間の手とそっくりで、動きもするし、知性と感性を持っている。
その見た目は間違いなく不気味だが、コロナもまた未知なる病原体という不気味さを持つ。
マニブスとは、コロナ禍によって人々が失ってしまった「思いやりの心」を表現しているのではないだろうか?
他人をシャットアウトするかのような政策によって、人々は分断したが、同時に他人を思いやる心までも失ってしまったと、監督は感じたのではないだろうか?
そしてマニブスという不気味な象徴は、思いやりの心を失ってしまった人間そのものだったのかも知れない。
あの2つの歌は、そのことを問うている。
反故にされてしまった約束と、もう一度それを思い出せと言っている。
何者かが突然送りつけてきたマニブスの種
主人公足立も、アユも、それを育てていた。
思いありをなくした人間にとってそれは、不気味でしかないのかも知れない。
それは、不気味になってしまった人間そのものでもあり、忘れてしまった何かだ。
思いやりとは植物のように育んでいくものかもしれない。
一旦それをわすれると、それはマニブスのように不気味に見えるのだろう。
監督自身も、人々がなくした思いやりを、ある人に差し出したとき、拒絶された事があったのだろう。
この異常な世界に衝撃を受け、発表したのがこの作品だ。
冒頭 主人公の頭の中に響く「指切りげんまん」の歌
それはこれから起きることの暗示でもあった。
彼はまだ優しさを持ち続けていたが、マニブスを受け入れるためには、まずこのような人から始めるのは当然だろう。
では一体誰が送り主だろう?
それは、マニブス自身かもしれない。
僅かに残った思いやりの種が、人々に伝わりながら伝染し、文字通り感染するように人々の心に宿っていく。
この作品は、そんな希望を未来につなぐために作られたのだろう。
衝撃的なビジュアルで興味を惹かれてしまいました🖐️
指先がちょこっと生えてきて、一瞬動くシーンがすごく怖い!
手に引っ張られちゃう時はもう終わったと思った笑
絆創膏を貼るシーンから、あれ?なんか可愛いぞ?となり始めてしまう不思議さ😳
まさかのホラー展開ではなく、友情?展開でいい話でほっこりしました☺️
魔物ではなくキューピッド
マニブスなんて聞いたことない、調べてみたらラテン語で「manibus」(手で、手によって)という意味らしい。だからマニブスの種から手のようなものが生えてくるんですね。
突飛な発想なので誰が考えたのか調べてみると、AIによると詩人・文月悠光の詩「わたしは差し出す」を原案として全編スマートフォン1台で撮影されたとありました。
詩をよんだところ、種は綿毛だし、「だれに受けとられなくてもいい、わたしは差しだす」の繰り返し。これだと、差出人不明の種が送られてくるのは分かりますが黒い手になるのは想像できませんね。
見掛けは黒い手ですがスマホを操作、克夫の恋愛をサポートしていましたから、怖い魔物ではなくキューピッド・ファンタジーかな、兎に角、この発想には面食らいました。
てとテと手
監督と脚本は『その神の名は嫉妬』『寛太と、じいちゃんの世直しチャンネル』の芦原健介
芦原健介作品初鑑賞
芦原健介は俳優としても活躍しているようだ
粗筋
足立克夫の元に差出人不明の封筒が届く
封筒には種が入っていた
早速植木鉢に撒いて育てることに
やがて植木鉢から漆黒の人間の手のようなものが生えてきた
「マニブス」はラテン語で「手を繋ぐ」という意味らしい
アユは足立が働く工場の社長の娘
出戻り
アユと足立は親密なりアユは足立のアパートに
サイズこそ違うし土から生えてないが古谷三敏先生の手っちゃんを思い出した
あるいは天才バカボンの「かわった友だち」を思い出した
バカボンといえば彼女ができた持ち主を固定電話が嫉妬してコードで締め殺すという話があったがそういう展開にはならなかった
黒い手は足立に携帯電話の使い方を教えられた
黒い手はメールを使い奥手の足立の代役としてキューピッド役に
それにしても公園林の土の中から無数の黒い手がうじゃうじゃ生えうねっている光景はマジで気持ち悪い
配役
下町の工場で働く足立克夫に菅野貴夫
足立の職場の同僚のアユに小島彩乃
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