「うーーーん、前田監督。。」水は海に向かって流れる TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
うーーーん、前田監督。。
前作『ロストケア(23)』では本当にいい裏切りと言うか、「なんだ、前田監督、こんな素晴らしい作品撮れるんだ」と思ったんですけど、結局またこんな感じに落ち着いちゃったのとやや残念な印象です。
本作品、私は原作は未読ですが、設定、各キャラクターは秀逸なんですけど、、脚本が若干緩いのか?演出が悪いのか、、仕上がりは期待に反してややガッカリ感が否めません。
役者の演技自体は悪くないと思うのですが、間が悪いのか?テイクを重ねるだけの予算や時間が足りなかったのか、、展開的に盛り上がってるのに、演技は少々上滑りしています。
兎に角、どこかしら惜しいと感じてしまう出来に、また前田監督に対する力量を低く見積もりざるを得なく、素人が勝手なことを言っていることを自覚しつつも、正直、期待していただけに残念なのです。。。
役者にフューチャーしていくと、
主演の広瀬すずさん、監督によってポテンシャルを引き出されると、期待以上の素晴らしいアクトを返してくれるのですが、その反面、作品によってムラもあります。さすがに経験を積んで所々巧さを感じる部分も多くなってきまし、榊千紗というキャラクターを魅力あるものに仕上げていましたが、10年後も主演を張れるためにはそろそろ作品選びで「茨の道」も選ぶ時期かもしれません。
もう一人の主演、大西利空さん。子役の頃から活躍していたようですが、すみません、私は認識できておらず。この方は、確かにテクニシャンではありますね。今後に期待が持てる俳優だと思います。
また、まだ新人と言っていいと思いますが當真あみさん。所属事務所の先輩には玉城ティナさんの名前がありますし、今後さらなる活躍に期待したいところです。
ベテラン陣は相変わらず皆さん、鉄板の演技ですね。特に、キャラクターとしても物語の鍵である人物を演じる北村有起哉さんは流石です。ポンコツのくせに悪気のない厚かましさで、ことほど左様に「困った肉親」感は右に出る者がいないと思わせてくれます。
また作品レビューから少々脱線しますが、千紗の「精神安定」のための料理、これはちょっとスピンオフが観たいくらいの魅力高いコンテンツでした。お腹鳴りやまなかったわw