「綺麗な映画に感じた」水は海に向かって流れる やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)
綺麗な映画に感じた
一歩間違えると汚い話になってしまいそうなストーリーだけど、綺麗な映画でした。
原作はよう知らんけど、前田監督、脚本の大島さんは綺麗な映画が得意な印象なので、その手腕もあるのかな。
映画の冒頭、広瀬さん演じる榊はまるで怒っているかの様な、明るさの無い表情なの。
この時点で、この映画は榊の笑顔を見るのが目的になっちゃうんですよ。
そして、わりと早い段階で榊と直達の関係の秘密が明かされるんです。
ここからは、二人の笑顔が見たくなるんですよね。
だけどね、當真さん演じる楓が健気で可愛らしいのですよ。
「二人の秘密なくなっちゃった」のところなんて、かわいいのなんのって。
これはもう、楓を応援したくなっちゃいますよ。
二人の笑顔は見たいけど、楓の事も応援したい。
中盤以降は、何とか丸く収めて欲しいって思いながら観てました。
終盤の朝の海のシーン、榊と直達の笑顔が凄く良いんです。
ここで終わるかなと思ったんですが、続きが有って良かった。
何故良かったかと言うと、楓の笑顔が見られたから。
教室で直達を見送った後の楓の表情が凄く良いの。
たとえ実らなくても、楓にとってとても素敵な恋だったんだろうなと思わせてくれる笑顔だったの。
そして、最後もいろんな可能性を想像できる所で切ってくれた。
私にとっては、凄く良い終わり方でしたよ。
終わり方も好みだったから、余計に綺麗な映画に感じたかもしれません。
この映画の撮影、『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』も撮影した方なんですね。
他の撮影作品も観てみたくなりました。
コメントありがとうございます。
原作を知らず、シリアスな感じの作品かと思っていたのですが、リラックスしながら観れました。最近続けて重い作品をみていたので、淡い気持ちの追体験でした。