「ときめきpart1」水は海に向かって流れる ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
ときめきpart1
「リトル・マーメイド」からの続けての鑑賞。予告を観る感じ、甘酸っぱい恋の話かなーとザックリした感じで鑑賞。
やーこれは一本取られました。可愛くて可愛くてトキメキました。そして飯テロ映画でもありました。腹の虫が暴走しました。
何かを抱えてはいるけれど、それを口に出しては言わない登場人物が殆どで、ムスッとしてる榊さんも、恋が何か分からない直達も、その両親も、全員平和に暮らそうとして日々を過ごしているけれど、直達がその日常を良い意味でぶち壊しにいく姿がとても良かったです。
人間関係は少しだけ複雑でしたが、物語が進んでいくたびにそのモヤモヤも解消されていくので楽しく、少しだけ辛く観ることができます。
カツアゲと聞くと聞こえは悪いですが、今作の2回あるカツアゲはとても清々しいカツアゲなので必見です。
飯テロ力は最高でした。まず最初に榊さんが作ってくれる肉一枚豪快に使った牛丼、もうヨダレダレダレでした。あんな美味しそうなもの作るなんて反則です。最高すぎます。
BBQのお肉も分厚くて美味しそうでした。庭先でBBQしながら飲むお酒とか最強だな〜。
シンプルに美味しそうなカレーに卵を乗っけるのもこれまた絶品です。直達が卵の美味しさを先に言って拗ねる榊さんも超可愛いです。
大量に茹で卵をほうばりまくる2人も非常に愛らしいです。
山盛りに盛られたポテトサラダをガツッと食べる榊さん、可愛いです。
役者陣の演技もとても素晴らしいです。
広瀬すずさん、去年の「流浪の月」で一皮剥けて大人のフェーズに突入したなと思いましたが、今作ではその色がより濃く反映されていたと思います。どこか大人びているけれど、子供のままの頃が残る女性像を際立たせていましたし、喜怒哀楽の表情がどれも豊かでとてもよかったです。特に哀しみの表情なんかはもう鳥肌ものでした。
多くの他人と暮らす作品として「海街diary」で末っ子を演じられていましたが、もうあの頃とは全然違う表情に見惚れてしまいました。
大西莉空くんも現役高校生だから出せる幼さをこれでもかとスクリーンで発揮してくれていました。
今作の最大の胸キュンシーンは泉谷さんの告白シーンです。それまでの仕草、動作、言動、どれも愛らしかったのですが、音楽室で鈍すぎる直達に向かって、好きの思いを打ち明けて、終いには「このハート泥棒!」と最高の捨て台詞を言って去っていきます。こんなんときめかない方がムリだろうというくらいの青春を浴びました。當間あみさんの等身大の姿がこれでもかと映っていて拝みたくなりました。
スピッツの主題歌が切なさと優しさをブレンドした美しい楽曲で映画を締めてくれるので、これまたほっこりした気持ちで劇場を出ることができました。
前田監督の作品はハマらない作品が結構あったのですが、今作は見事にクリーンヒットしました。ハートのど真ん中撃ち抜いていきました。このハート泥棒が!
鑑賞日 6/9
鑑賞時間 12:40〜14:55
座席 C-10