「高校生の直達がドストレートに「一生恋愛しない」という26歳OL榊さんの心を溶かしていく」水は海に向かって流れる onzouさんの映画レビュー(感想・評価)
高校生の直達がドストレートに「一生恋愛しない」という26歳OL榊さんの心を溶かしていく
高校生の熊沢直達(大西利空)が通学のため叔父の家に居候することになる。しかし、最寄り駅に迎えに来た女性・榊千紗(広瀬すず)が彼を案内したのはシェアハウス。一見不機嫌だが料理上手な榊をはじめ、脱サラした漫画家、女装した占い師など、風変わりな人々との共同生活が始まる。
恋をしないと決めた女性、榊千紗と出会い惹かれていく直達だが、実は彼女は、10年前に家族を捨てて駆け落ちした自分の父親の不倫相手の娘であった。
今回初のお姉さん役の広瀬すず、映画冒頭から、ご本人も怖いと思ったくらい無表情の榊、
榊が高校生の時に母のW不倫の相手が熊沢直達の父。結局、母は家庭を捨てて戻ってこなかった。そんな闇をずーっと抱えてしまっていた彼女の心に高校生の純な思いがそんな榊さんの心を少しづつ溶かしていく。
物語の後半に大西君が自分思いを全て涙ながら榊さんに訴えるシーンからが素敵。
あえて漫画のシーンとは変えたり削ったり、漫画には無いシーンを追加したりする演出(監督、脚本家)が見事に上手くいってて、たしかにその方がいいなと思う箇所も多くある。
テーマそのものは大人のW不倫で翻弄される子供たちの悲惨な物語だけどじめっとせずにむしろ観終わった後のこの爽快感はなんなんだろう。
場面転換に使われる美しい風景や、子猫の名演技、そして脇役人のコミカルな動きと会話が心和む。
利空君の素朴ながらも真っ直ぐな演技とそれに応える広瀬すずの繊細な表情や仕草。
とても素敵な作品になっていると思います。梅雨に入りましたが心はなぜか晴れ晴れとします。いい映画です。
失礼します
横槍みたいで甚だ恐縮ですが、件の方のレビュー及びそのコメントのやり取りから感想述べること、お許し下さい
本日、原作を完読しました ラストであれだけ違った落とし処は、改めてビックリしました
私は映画から漫画というアプローチでしたので、どっちの世界観も素晴らしいと思います いらぬ邪推(未成年問題)が差挟む原作のリスクヘッジと言うと、映画化の意味は?というのも考えさせられますが、私のように映画からこのストーリーを堪能する人もいます レビューの題名に『原作ファンは観ない方がいい』とつけるセンスは、多分映画そのものは好きではないのでしょう どの原作の下地が在ってもあくまで映画にするときは別作品なのだという至極当然な思考を置き忘れている人なのだと思います 脳内で凝り固まった在るべき姿の亡霊に取憑かれているのでしょうね・・・
『観ない方が良い』という暴力で映画が衰退する危険性をどれだけ孕んでいるか、本人の意固地な自意識過剰と歪んだ承認欲求のみで言葉の暴力を認識出来ない輩は私も辟易しておりますので、貴殿の勇気あるコメント、敬服致しました
私としては原作を、再構築したギリギリの挑戦的な作品だと再評価しました
失礼しました