劇場公開日 2023年1月13日

「現代社会の限界」よりそう花ゝ あやこさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5現代社会の限界

2023年1月15日
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泣ける

悲しい

幸せ

分かりやすいヒューマンドラマ。色々問題提起もしてるけど、観やすくて没入できた。
現代社会で勧善懲悪って滅多になくて、この映画でも、家賃滞納で退去を迫る不動産屋も、会社の利益のために効率重視の葬儀屋も、風紀や美観、ルールに従順な市役所職員も、法に従って母親を強制送還する職員も、決して悪ではない。むしろ、現実社会では、主人公側が厄介者とされるだろう。結局、人としての正義とか良心を貫こうとすると、お金とか根回しとか、権力とか、本質とは関係ない力が必要とされるんだな、とこの映画を見て思った。
互いに傷を持つ隣人同士の温かい交流は、想定内だけど、ほっこりした。そして何よりアンソンギの表情、演技の素晴らしさ!70歳超えとは思えないダンディな出立ちにびっくりだった。

あやこ