「守りたいという気持ちが集結した作品」名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン) おーしょーさんの映画レビュー(感想・評価)
守りたいという気持ちが集結した作品
今作は哀ちゃんと哀ちゃんをとりまく人々の優しさと守りたいという気持ちの集結。黒づくめの組織が弱いという見方もできるが、本作は成長した哀ちゃんの物語だから甘受してほしい。哀ちゃんがフサエブランドの商品をキャンペーンで得るが、その場におばあさんもいて哀ちゃんが理由をつけて譲るという流れに。まあまさかそのおばあさんがベルモットの変装とは思いもせず笑 それを見ていた園子の計らいで八丈島に行くことに。園子は蘭の親友であるが、個人の欲の為に財閥のお金を使うことはせず困っている人や友達の為に使うことを惜しまない優しい子である。以前は蘭が子供たちの面倒を見ていたが、今作はおっちゃんの面倒と攫われた哀ちゃんを心配し八丈島に残り、園子がこどもたちの面倒をみることに。映画だと緋色の弾丸以来かな。ここらだけでも優しさに溢れており涙が出てきてしまったり笑っちゃったりするものである。テーマソングもかっこいい。哀ちゃんを護ろうとしてキールがウォッカから情報を聞き出す。歩美に「逃げるだけじゃ勝てないもん。ぜーったい!だから逃げたくない」って言われ琴線に触れたからこそのあの名言が飛び出して、哀ちゃんも強くなったなあっとしみじみ思った。初見のときはシェリーの現在過去がだされたときは本当に恐怖で仕方なかった。原作を読んでいる人ならここからのシーンは恐怖とどうなるんだろうという不安が入り混じっていたのではないだろうか。それほどジンの哀ちゃんへの執着は凄まじい。ピンガがやってきたときも「組織の一員(コードネームを与えられたレベルに限る)ならば雰囲気で分かる」という哀ちゃんの設定をしっかり使ったいて抜け目なし。コナンの行為すべてがかっこよかった。助け出された後は哀ちゃんのコナンへの恋心の現れのシーンの数々にキュンキュンが止まらなかった。ほんと無駄なシーンがなく、普段は描かれることが少ない哀ちゃんのコナンへの好きという感情、志保を大事に思っていた人がいたという嬉しさなど、マジで最高の作品だった。コナンは普段哀ちゃんのことを相棒と思っていて哀ちゃんに対しては守ってやらないといけないと思っているけど、それが事細かく描かれていてそれに感嘆した。櫻井さん立川監督、青山先生、最高の傑作ありがとうございました。