「やっぱりというか…」名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン) icmrkさんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱりというか…
今年も相変わらず、キャラとアクションとラブコメをゴリ押ししてコナンという作品を勘違いしている新規のファンしか喜ばない別の意味で傑作。
以下、今作について特に気になった点をまとめると
まず相変わらずキャラを出し過ぎて大半のキャラを持て余している。
安室や赤井ゴリ押しの展開にならなかっただけマシなのかもしれないが、FBIは赤井以外ほぼ空気…
また小物枠に収まるのは仕方ないと思うが、ピンガが無能過ぎる。
蘭の対戦相手とコナンの正体を知っているくらいでそれらしい見せ場が全くなく、冒頭の口封じも結局ジンに尻拭いさせるわコナンにあっさり正体見抜かれるどころか目暮達の前で普通に素顔晒すわでラムのお気に入り以前に本当に組織の人間なのかと疑うレベルで全体通して失態が多過ぎる。
ラムに関してもとりあえずTVシリーズ出たし劇場版も出しておくかみたいなほぼ意味のない出し方で純黒の演出の方が数百倍マシに思える完全なポスター詐欺。
そして最大の問題は今作の目玉であるはずの灰原と組織の扱いが監督や脚本家は原作を読んだことがあるのか?と感じるくらい酷い。
特に灰原のキス云々の件は原作ファンからするとありえない。
過去に14番目の標的で蘭とコナンで似たようなシーンがあったが、あれはあくまで人工呼吸の結果が偶然キスシーンみたいになったという映画ならではの演出だったのに対して灰原の場合はキスした結果が人工呼吸になったようで見るに堪えない。
原作でも灰原のコナンに対する特別な思いはあるが、流石にキャラ設定や原作の世界観を無視し過ぎ。
加えて組織は組織でピンガの無能さに感化されたのか直美の父親の抹殺の失敗どころか直美など組織のことを知ってしまった人間の口封じをすることもしないし、ベルモットに至ってはただの善人みたいになっててこれまで見てきたものは何だったのか?と原作や今のコナンの地位を確立してきた初期作、そしてここまで作品を応援して盛り上げてきた古参ファンが軽んじられているというか侮辱されているようで本当に腹立たしい。
といったところか。
最後にここ10年くらいずっと思っていることだが、ちゃんとストーリーを作れないならまず安室、赤井、組織、服部、キッド達準レギュラーキャラを出すのをやめてレギュラー陣と劇場版オリジナルのゲストキャラだけに絞ってしっかり本来の推理中心のアクション、ラブコメが程良く織り交ぜられたちゃんと古参ファンのことも大事にして新規のファンがコナンという作品をアクションラブコメ映画と勘違いしないで済む作品を作って欲しい。
まあ来年はキッドと服部メインっぽいし、また無駄なキッドのアクションと服部×和葉のラブコメを延々と押し付けられることになるのだろうが…