メグレと若い女の死のレビュー・感想・評価
全40件中、1~20件目を表示
野良犬‼️
ジョルジュ・シムノン原作の映画化作品というと「マンハッタンの哀愁」、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の「モンパルナスの夜」が印象に残ってるくらいですか⁉️黒澤明監督がジョルジュ・シムノンばりの犯罪モノを目指して傑作「野良犬」を製作したというエピソードが一番印象に残ってる‼️今作もジェラール・ドパルデュー扮するメグレ警視が若い女性の殺人事件を追う過程を、聞き込みを中心とした地味な展開で淡々と描く‼️犯罪捜査というよりは会話劇としての面白さはあるので、飽きる事はありませんが、犯人解明も含めてもうチョット起伏がある展開にしてもよかったかなと思います‼️
自分も捜査しているよう
有名な推理小説と知らずに高評価から鑑賞。リアルに思えた時代背景と細かい捜査の描写からか何とも言えない臨場感がある。他の推理モノと違い、いかにもって主人公でないが良いのかも。終盤はちょっと強引でイマイチ。
フランス版ミステリー
レトロでちょっとお洒落な映像だった。ストーリーはやや文学的に感じた。これはフランス映画のせいだろう。難しく感じさせてさほど難しくない、最後まで集中して観れたら中々面白い作品だろう。
でもやっぱりフランス映画は苦手である。
この長さでいい
特に珍しい要素も意外な展開もないけど飽きたり退屈したりしない、丁寧な仕事だなという映画。やっぱり良い監督といい役者が手を組むと安心です。あとやっぱり最近の映画長すぎだよ。この短さでちゃんと面白い映画作れるじゃん。
朴訥としたメグレの魅力
少女の他殺体を調べるメグレ警視。犯罪捜査と、メグレとある少女の触れ合いを描く物語。
目暮警部・・・ではなく、メグレ警視の活躍を描く映画ですね。メグレ警視の名前は知ってはいましたが、その映画を鑑賞するのは初めてです。
老体・体調不調・・・自らの生い先の短さを感じるメグレ。過去に娘を失っているメグレ。そんな彼が不器用ながらも、家出少女に見せる暖かい眼差しが心を打ちます。
ドラマとしては雰囲気があって良い印象を持ちました。でも、肝心のサスペンスとしてはまったく面白さを感じません。犯人や犯人の動機や犯人に至る推理・・・どこに面白みを感じて良いのか分かりません。
私的評価は普通にしました。
名監督&名優の久々の帰還。いかにもフレンチ・ミステリらしい情感と味わいを愉しむ。
佳作だと思う。
お話としては、出来の良い2サス程度といったところかもしれない。
ものすごく地味な内容のうえに、特別な何かがあるわけでもないのだが、フランス映画らしい情感と味わいがあって、印象は悪くなかった。
パトリス・ルコントのフィルムづくりは、やはり練達の渋みと画格(と画角)の美しさがあって、観ていて心地良い。
パトリス・ルコントとジェラール・ドパルデュー。
懐かしい名前だ。
ドパルデューのほうは、大学にうかって上京してすぐの時期に『シラノ・ド・ベルジュラック』を観に行ったのを覚えている。秋の学祭のクラスの演し物でまさに『シラノ』をやることになって、劇の参考にしようとクラスの有志一同で学校から歩いてぞろぞろ渋谷の文化村ル・シネマまで観に行ったのだ。ちなみに、感動のあまり号泣してみんなに笑われたのは我ながら青臭い思い出です(笑)。
そのあと移民がアメリカ移住に四苦八苦するロマンティック・コメディ『グリーン・カード』も封切られて、こちらのドパルデューも大変な名演技だった。
で、ちょうど同じ年の冬に、ルコントの『髪結いの亭主』が大ヒット。
こちらも、ル・シネマまで観に行ったのをなんとなく覚えている。
ルコントとドパルデューの名前は、まだ自分が若くて夢にあふれていた頃の記憶と分かちがたく結びついている。
その後、ドパルデューの映画は『1900年』だったり『終電車』だったり『カミーユ・クローデル』だったりを映画館で観たものの、いずれも90年より「前」の映画で、「後」の映画となると日仏学院でクロード・シャブロル映画祭をやってた時期に『刑事ベラミー』を観たくらい。
なので、いちおう噂には聞いていたけど、マジでめちゃくちゃ肥ってて、ちょっとびっくりした(笑)。
いやまあ、べつに肥っててもいいんだけど、なんぼなんでも肥りすぎではないのか??
立ったり歩いたりするのに困難を生じるレベルで肥ってるんだけど、大丈夫なのか?
こんなに肥ってるから飛行機でおしっこしたり、ロシアに国籍移したりしちゃうんじゃないのか?
しかもタッコングかハンプティダンプティかと見まがうばかりに肥っているのに、なお体と比して顔が異様に大きく見えるのって、どういう体のつくりをしているのか??
一応、メグレも身長180センチ、体重100キロというから、役にはぴったりなのかもしれないが……、どっちかというとネロ・ウルフとかドーヴァー警部のキャラに近い肥り方のような……(笑)
メグレといえば、ジャン・ギャバンである。
といっても僕は『殺人鬼に罠をかけろ』しか観たことがないが、『サン・フィアクル殺人事件』『メグレ赤い灯を見る』の一本の計3本で主演している。彼の場合は、デブというよりは偉丈夫で、貫禄と風格のあるメグレだった。あれはあれで原作のテイストとはかなり違うという意見もあるようだが、原作でもメグレってここまで「動くのもやっと」って感じなんだろうか。
シムノンは、大昔にルコント映画の原作でもある『仕立て屋の恋』と、タル・べーラが映画化した『倫敦から来た男』くらいしかちゃんと読んだことがないので、よくわからないが。
(書棚には何冊かメグレものがあるけど、未読。この機会に読んでみるかなあ)
いろんなフレンチ・ミステリのあとがきとか読んでると、シムノンって作家は推理小説家というよりは、バルザックに近いような文豪としてベルギーやフランスでは敬愛されてるようだ。要するに「謎」以上に「人間の機微」を描く作家、という位置づけなのだろう。
なんにせよ、本作のメグレは、わざわざ「呼吸器に異状をきたし医者から大好きなパイプをとめられている」という設定を作ってまで、なるべく「既存のメグレのイメージ」を拭い去った「ドパルデューのメグレ」として成立させようとしているくらいなので、「見たままありのまま」で受け止めればいいんだろうとは思うが……。
でもこんだけ肥ってて甘いものは苦手とか、それはさすがに噓だろう(笑)(敢えて肺の検査結果が出るまでそう言って我慢してるとか?)
― ― ― ―
映画の冒頭、若い女性が貸衣装店でドレスを着させてもらうシーンは、妙に印象的だ。
当初、どこかひっかかりを感じるのは、やたら手の込んだカメラワークでバストトップを観客から守り続けるそのやり口が面白いからかとも思ったのだが、よくよく考えてみると、違和感の原因はむしろ「相手が女性なのに頑なにバストトップを手で隠し続ける女性」の怯えようにあったことに気づく。
一方で、貸衣装店のおばさんが、女性の肌に這わせる指のふるえは、いかにも同性愛的だ。
この若い女性の「性的な視線への恐怖感」と、彼女を求めるかのような「同性愛的なほのめかし」は、実は後半に展開される事件の中核部分と深く関連している。
振り返ってみれば、とてもよく考えられた導入部といえるのではないか。
婚約式への彼女の登場と、新郎新婦の動顚ぶり。
このへん、ちょっとニューロティックな感じも含めて、ノリはBBC版『名探偵ポワロ』にとても近い感じがする(そういえばエルキュール・ポアロはシムノンと同じ「フランスで活躍するベルギー人」だし、BBC版『ポアロ』もまた、時代設定を1930年代後半に固定して、あくまで歴史ものとして原作の完全再現を目指していた作品だ)。
そのあとどうなったかは明示されないまま、女は胸を何度も刺された状態でモンマルトルで発見され、いよいよメグレ警視が登場する。
物語の特徴としては、冒頭から「殺された女性の身許が不明」という五里霧中の状態のまま聞き込みがスタートするからか、警察もののわりにとても「ハードボイルド」な風味がある。私立探偵ものに近いフォーマットで事件が展開するからでもあるし、メグレの風貌やファッションが刑事というよりは探偵っぽい感じがするからというのもあるだろう。
メグレは地道な聞き込みを経て、彼女にドレスを貸した貸衣裳店にたどり着き、彼女の私物であるバッグを手に入れて、ようやく「彼女が何者か」を知ることとなる。
一方で、彼は被害者と似た年恰好のおのぼりさんで、目の前で万引きをしようとした「若い女」を保護し、観察下に置く。
こうして物語は、「死んだ若い女」の最期を知るべくメグレが辿る捜査の過程と、「生きた若い女」との(親子とも、男女ともいえそうな)微妙な温度感の心の交流が平行して描かれ、やがて「二人の若い女」のイメージは思いがけず重なり合うことになる。
メグレの「若い女」に対する共感の深さ、想いの強さ、捜査への執念には、れっきとした「理由」がある(中盤以降、明確に明かされるので、ここでは詳細には触れない)。
逆に言えば、本作はその「理由」のせいで「メグレ警視自身の事件」へと様相を変えてゆく捜査の様子と、メグレの揺れる内面描写がキモとなってくる。
まあ、ドパルデュー自身は純粋に若い娘が大好きな性豪俳優で、レイプ訴訟やら二桁に及ぶセクハラ訴訟を抱えているような超危険人物なので、なかなかに挑発的なキャスティングかましてきてるな、とは思ったけど……(笑)
とはいえ、さすがはドパルデュー。演技としては文句のつけようのない仕上がりでした。
老警視のかかえる、底なしの後悔と、わが身をかきむしるような空虚さ。
その「足りない何か」を取り戻すために、彼は捜査にのめりこみ、禁じ手に近い詐術まで繰り出して事件の真相を明らかにしようと奔走する。
殺された「若い女」を、名もなき存在から名前のある存在へ、よるべない存在から確固とした存在へと「あらためて見つけ出してやる」ことでしか、メグレの抱える虚ろな闇は充たされないのだ。
― ― ― ―
ミステリとしてはいろいろ物足りない部分も多々あるし(そもそも事件の真相自体があまり面白くない)、たとえ50年代であっても、司法解剖や現場検証によってもっと早いうちに明らかになっていた事実もあったのではないかとも思うが、そこは追及してもあまり詮無いような気もする。
それより、撮影や小道具、演技の機微などを楽しめばそれで良い映画なのではないかと。
とくに、50年代のまだ薄暗かったパリの街をイメージさせる、室内シーンのやたら暗い撮影プランは、ルコントがどういう主義の監督かは知らないが、トリュフォーが『アデルの恋の物語』で、あるいはキューブリックが『バリー・リンドン』で、蝋燭と自然光だけで撮ったエピソードを彷彿させる。
あと、やっぱりルコントは女性を綺麗に撮る監督さんだなあ、と。
『髪結いの亭主』や『仕立て屋の恋』のような淫靡な情感はないとはいえ、三人の「若い女」を三者三様に描き出すこだわりとフェティシズムは、老境にはいってなお健在だった。
でも、結局「夜会」って、なんだったんだろう?
なんか、すげー谷崎めいた香りがしたけど(笑)。
名探偵コナン
原作も知らないし、メグレ警視も知らずに鑑賞。
名探偵コナンの目暮警部はここからか?!と
連れが気が付いたくらいです。
かなり有名で人気のミステリー小説ようですね。
無知でした📖
(シリーズ作品はゆうに50冊)
.
.
犯人はすぐに誰だかわかってしまいますが
それまでの謎解きがフランスっぽくていいです。
色々疑問点が残り、個人的にはすっきりしません。
きっとメグレ警視シリーズを読んでいれば
メグレ警視の娘についてもわかるのでしょう。
.
.
フランスの名優、ジェラール・ドパルデューが
久々の出演作のようですが、
どこか悲哀を感じるメグレ警視と
物語同様、曇天ばかりのパリの雰囲気
事件の真相に隠された其々の歪んだ愛憎が
見事に演出されたまさに上質なミステリーでした。
推理物としては物足りないのですが・・
推理物としては物足りないのですが、1950年代の異国(フランス)風情溢れる作品なので評価は甘目。
民間人を現場に行かせたり、被害者の可能性がある段階で正式な手続き無しに部屋に立ち入るのは、あの当時の基準ならではでしょう(今なら許されないのでは)。
最後のオチは、うーん、気に入らないなあ。鑑識でわかりませんかねえ・・
これはパイプではない
ジョルジュ・シムノンのメグレシリーズとはもともとあまり相性が良くない。論理的に謎を解くというよりは、もっとふわっとした感じであいまいに帰結する感じ。シムノン自身がプロパーの推理作家というわけでもないので、いたしかたないのかもしれないが。
被害者と瓜二つの女の子を見つけるとか、終盤その娘を見てジャニーヌが被害者と同じ行動に駆られるとか、偶然の要素が多すぎる。
ジェラール・ドパルデューはしばらく見ないうちにとんでもない巨漢になっていて、びっくりした(特殊メイク?)。あれならネロ・ウルフやドーヴァー警部もやれそうだ。
メグレがパイプを指して「これはパイプではない」と言い、ベルギーのジョーク云々というくだりは、おそらくベルギーの画家ルネ・マグリットの「イメージの裏切り」に依拠したものと思われる。
お洒落な2サス
メグレ警視が被害者の身元にこだわり、犯人たちを執拗に追い詰めていったのは、亡き娘への深い愛情が込められている。ということが、場面ごとに滲み出ていた。生きているお嬢さんも協力したのも、メグレ警視に父親を感じていたからだろう。
事件の答え、犯人~nav@ewkf古典的な解決法
派手なアクションが有るわけではないし、ホームズのような変装術で敵の目を誤魔化す訳でもない。
ただ、地道に歩きまわって関係者から話を聞いて推理していく、シンプルでオーソドックスな手法で犯人を見つけるのですが、ジェラールが出てきた瞬間、あっ、メグレだ。
原作の中の人がスクリーンの中、そのままの姿で現れたと思ってしまいました。
ただ地道に話を聞き考え、答えを犯人を見つける、オーソドックスですが、推理、犯人を捜すというシンプルな手法に、巨体のドパルデューがすんなりと溶け込んでいるのが素敵でした。
パリは若い娘達にとっては憧れの街ですが、裏に回れば暗く、足を踏み入れてはいけないという雰囲気が画面から漂っていて映画を観ているけど、古典のドラマの世界に入りこんでしまったような気分にさせられます。
犯人は、若い女がどうして死んだのか、理由、原因が若ってしまうと、なんだそうだったのかと人によ肩透かしな気分を味わった物足りなさを感じるかもしれません。
でも、この時代を考えると人の死、原因に納得してしまう自分がいます。
ルコントによるメグレの続編はないそうだ
BSPでいつも楽しんでいるポアロを思い出しながらメグレのことを書いてみる。
二人ともフランス語圏のベルギー出身で、上流階級と庶民(労働者階級)との間で事件を追っている。一番違うのは、ポアロがベルギー時代に警察署長を経験していて上流階級の側に立っているのに対し、メグレは若い頃、医学部に在籍したことがあるが、経済的な理由で中退したこともあり、警察では現場育ちで、労働者階級に同情的。ポアロが20〜30年代のロンドンを舞台にしているのに対し、今回のメグレは50年代のパリが背景。
この映画では、ピークが二つある。最初が、資産家のヴァロア夫人の最愛の息子ローランと女優志望のジェニーヌとの婚約パーティに、第一のヒロイン(その後、殺害される)ルイーズが乱入するところ。次が、結婚パーティに第二のヒロイン、ベティが現れるところ。明るいシャンデリアの下、豪華な食器が並べられ、目を見張るような借り着の夜会服を纏ったヒロインが一瞬だけ美しい。映画のストーリーは、この二つのピークの間で、メグレが、地方から出てきた若くて貧しいルイーズがなぜ殺されたのか、丹念に追うことで展開される。中心は、関係者のインタヴューだからミステリーとしては弱い。
見せ場は、石造りの建物が白くなる前の薄汚れたパリ。最後に出てくるモンマルトルを思わせる緩やかな坂道が、特に心に残る。室内には何も装飾がなくテーブルクロスもかかっていない学校の教室のようなカンティーヌ(食堂)も出てくる、でもデザートのお薦めはおしゃれなタルト・タタン。是非、食べてみたい。
安アパートの急な階段を息を切らせて登るドパルデューのメグレは、やや年老いて巨漢過ぎ、いかにもミスキャストだけれど、なかなかどうして、特に奥さんとの会話が魅力的。
50年代、若い二人のヒロインたちは、今ならパリ郊外の高層団地に住む移民の女の子たちか。メグレを介して伝わってくるルコントの冷静だが、穏やかな視線が懐かしい。是非、続編を期待したいところ。
メグレシリーズをもっと観たくさせる一作
メグレ警視シリーズは、原作の小説は100本以上に上り、映像化作品も数多あるにも関わらず、本作「メグレと若い女の死」が初見となりました。その結果、これまでメグレシリーズを観て来なかったのは、実に迂闊なことだったと後悔するに至りました。
ホームズやポアロ、コロンボに金田一耕助と、古今東西いろんな名探偵や名刑事がいますが、メグレはその中でもダントツの陰キャというのが第一印象。ただ一見素っ気ない感じではあるものの、「取り調べのコツはたくさん話をすること」と言うように、目撃者や容疑者とのコミュニケーションから犯人を割り出していく手法は、巨体の内にメラメラと燃え滾る犯罪解明に対する強い信念を感じさせ、その辺りはコロンボの性格に近いように思いました。典型的な陽キャであるコロンボとは表面的に対照的ですが、追跡劇とか格闘シーン、銃撃戦などが全くない、知的かつ静的なミステリーという点では、結構共通項はあるかなと思いました(ほかの作品を知らないので、的外れなのかも知れないですが)。
また、肥満で健康問題を抱えるという冴えないキャラクターには、個人的に共感しかありませんでした。原作におけるメグレの体格は身長180センチ、体重100キロという巨漢という設定。それに対して本作でメグレを演じたジェラール・ドパルデューも身長180センチということで、体格的にはピッタリのキャスティングでした。ただ階段を登ると息が切れてしまうシーンは、演技じゃなくて素のままだったんじゃないかと思えました。劇中のメグレも医者に禁煙を厳命され、トレードマークのパイプを見ているだけの日々を送っていましたが、ドパルデューご本人も健康のために少しお痩せになった方がいいのではないかと思います(大きなお世話ですが)。
肝心の内容ですが、パリに憧れて田舎から出てきた若い女性・ルイーズ(クララ・アントゥーン)の殺人事件をメグレが解決するというものでした。1950年代のくすんだ感じのパリの風景が、実に味があり、臨場感満載でした。前述のように、メグレの捜査は非常に静的ですが、理詰めで進められており、その辺は納得感がありました。ただ、被害者と同じように田舎からパリに出てきた若い女性・ベティ(ジャド・ラベスト) を囮に使って捜査した手法は、かなり微妙に思われました。ベティは別に捜査員ではないし、リスクしかないのに囮に使うのはどうかと思いましたが、メグレとベティとの間に不思議な信頼関係のようなものが感じられたので、ギリギリ許容範囲内かなというところでした。まあ失敗したら(少なくとも現代だったら)大問題だったでしょうけど。
そんな訳で、個人的にメグレシリーズ初見となる本作でしたが、もっと別の作品を観たくなりました。いくつか観た上で、メグレシリーズに対する総合的な評価をすべきなのでしょうが、とりあえず本作に限って言えば、推理劇としては面白かったし、パリの街の雰囲気も趣深いものであり、その辺りは十分に楽しむことが出来ました。ただやはり囮捜査は100%合点が行くというものではなかったので、評価は★4としたいと思います。
残念ながら
口コミを見て興味を持って鑑賞するが、冒頭から睡魔との戦いが、、全体的に映像も暗くさらに睡魔が、、スミマセン自分にはイマイチでした。同じ日に見たパリタクシーも同じように過去のパリを中心とした作品でしたがこちらは最高の作品だったので余計そう感じてしまいました。ベテイ役の方は素敵でした。
昔、岩波ホールで観た仏映画のテンポ
映像は、初めから最後まで、すべての瞬間で美しい。
しかし、2023年の今となっては、このテンポの話運びと編集では、正直眠くなる。
先日リバイバルで観た「薔薇のスタビスキー」から、何年後に作られた作品なのか、と思ってしまった。
『仕立て屋の恋』の監督作
途中、あれっ?この人って???と混乱しますが、最後まで観ると納得します。
面白かった♪
メグレって、いいキャラしてる♪
終わってから気付いたけど『仕立て屋の恋』と同じ監督なんですね♪
観てない方は、ソチラもオススメです。
まあ、少し考えさせられる話ですね…
評価は少し甘めだけど、星3.5じゃ低い気がするんで…
ポアロみたいに、メグレもシリーズ化してほしい(笑)
監督がなぜ映画化したかったのかもう一つ分からない。
(原作既読)
①映画を観る前に急いで原作を読んだ。本格派推理小説とは違う面から謎にアプローチするタイプのミステリだが中々の佳作だった。
②しかし、映画は冒頭と基本設定を原作から借りただけであとは全く別の話が展開される。
道理で原題が『Maigret』だけなのも分かる。
原作をそのまま映画化したら暗いだけの映画になると思ったからか、今の時代にそぐわないと思ったからか。
だが、原作の放つ儚くて物悲しい何とも言えぬ味わいが薄まって、私には改悪としか思えなかったけど。
③苦虫を噛み潰したような表情の合間に実に繊細な表情を覗かせるジェラール・ドパルデューの好演で持っているような映画。
もっと見ていたい
ベティと奥さんが楽しげに話してるの洗面室で微笑ましくほくそ笑むメグレ。
お子さんが生きてたらこんな光景があったのかと思うと泣けてくる。
ところどころベティが可愛らしい発言をしても、メグレはつれない返事。そんなとこもまたまた憎いなぁ。
90分くらいの映画は歓迎ですが、この映画はもっと見ていたい。
全40件中、1~20件目を表示