ゴジラ-1.0のレビュー・感想・評価
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これはこれで面白い
善良なヤンチャな男子たちが作り上げたマッチョな映画。
戦後の焼け野原からだんだん復興していく町の様子、崩壊する銀座、もちろん不死身のゴジラの、「恐怖」を通り越し爽快さすら感じさせる表現力には感服。満を辞してのゴジラのテーマが流れる頃、観客はノスタルジックな陶酔の面持ちへと自ら委ねてしまうのは劇場観賞の醍醐味だろう。
ただ、穿った言い方をしますと、あの時代の気分に乗じ、99%男子たちが強く守る立場、映画では1%の存在感の中で(子どもまでがなぜか女の子)、女子たちは銃後の守りに徹する役回り(戦後にもかかわらず)というステレオタイプな文法に、「マッチョな映画だなあ」という印象だけが最後に残った(子どもを隣人に預けて銀座でOL始めた典子はあの時点で本当に自立したかったようには思えない。内面が全く描けていないので判読は不可能だ。そしてこの映画の中では典子だけが銀座で都電に乗っているという状況を作り出すための逆算結果に過ぎない)。
あのカタルシスを経て、敷島の戦争は本当に終わったのだろうか。少なくとも子ども三人失った澄江さんは一生戦争を憎み続けていくに違いない。
脚本の破壊力がゴジラ級
この間、「愛にイナズマ」で日本にはいい役者さんが多いなぁと思ったばっかりだったんですが。ふざけた脚本と演出で役者の芝居はここまで破壊できると示すような作品。
もうゴジラ云々の前に、物語や人物描写がまるで成立してない。台詞回しは学芸会のような有様。佐々木蔵之介なんて、半ばヤケクソ気味に見えたけどね。
神木君はすでに実績あるからいいものの、下手したら今後の役者人生が壊されるんじゃないかと思える迷走ぶり。そしてあの安藤サクラをここまで貶めるのは、逆によくできたなって。演技指導に関しては、樋口真嗣を超えるか。恐ろしいぞ、山崎貴。
怒ってる人はワナワナしてるし、慌ててる人はオロオロしてるし。喧々諤々な会議は、みんな順番待って行儀良く喧々諤々だし。人物描写の引き出しがまるで一般人レベル。神木君は情緒不安定で意味わからんし、子役もまるで制御できてないし。スタジオアリスじゃねーんだわ。こんなカオスならいっそドン・フライとケイン・コスギ連れてくれば良かったのに。
まともに物語も作れないのに、戦争批判とか国家批判とか、一端にメッセージ込めてるのが図々しい。先にやることやってからや。そういうのは。
ゴジラはちょうちょ見つけたみたいに飛行機追っかけてて、大胸筋がすごくてカンガルーみたいで。小さい子供がプールでつける浮き輪みたいなのつけてた。ラストのあれは花山薫オマージュですかね。
これでも評価は3.9点なんだ、、、(12月1日現在)
映画の日にMX4Dにて、事前の情報は一切封鎖した状態で視聴しました。
最初から最後まで、ゴジラの怖さや巨大さ、圧倒的な強さを大画面と大音響で見せつけられ、映画館でしか味わえない最高のエンタメとして心から楽しめました。
また、役者の皆さんの演技も秀逸で、素晴らしい脚本とともにヒューマンドラマ部分で何度泣いたことか。
「なんでゴジラ作品泣いてんの?」と時々我にかえりながらも、心に染みる数々のシーンにこっそりひっそり号泣しておりました。
視聴後、こんな素晴らしい作品ですので、さぞかし評価が高いだろうと思い、また感動を全国の皆さんと分かち合いたく映画ドットコムを見に来ました。
すると、12月1日現在で【3.9点】とそれなりの評価になっておりました。
へぇぇぇ、意外だ!!
多くの方が【5点】や【4点】を付けている一方で、【1点】や【0点】を付けている方もそれなりにいらっしゃることがソコソコの評価になっている原因なのかもしれません。
評価なんてそんなもんだよ?と言われればそれまでですが、実際、こんなもんなんですか?
エンタメなんて完全に個人の嗜好ですし、評価軸や好き嫌いが分かれて当然なのですが、ココまで作り込んできた作品に【1点】や【0点】ってのはさすがに厳しすぎるなあと思いました。
映画の日だからこそ映画を見るようなライトファンにとっては、「日本映画も捨てたもんじゃないなあ。こんな素敵な作品に出会えるなら、また映画館に足を運ぼう」と素直に思える素敵な作品でしたけど。
そんなんで、声を大にして【満点】評価行かせていただきます!!
日本映画の到達点へ。
ゴジラ×戦争、と言うより、戦争×ゴジラ
面白かった!骨太で、重厚で、良い作品でした。
エンディングや展開に驚くものはなく、設定は甘いと思う所はあるのだけれど、ゴジラの迫力と役者陣の演技が巧く、作品の世界に引き込まれた。
神木隆之介君と浜辺美波さんの演技も良かった。
2人ともいつの間にこんな演技ができるようになったのか。浜辺美波さんは、シン・仮面ライダーの時はちょっと若く、演技の幅が少し狭い印象だったが、今回は間の取り方、感情表現と、しっかりとした演技をしていて良かった。
神木君は3月のライオンの際の引きこもりがちな暗い演技から好きになったのだけど、その後のるろうに剣心、バクマン。最近観たものだと、ドラマだけどコントが始まる(そのまんま過ぎた印象のせいか、らんまんは観ていない。2人はここで夫婦役をやっていたようだが)と言った作品の軽妙に明るいキャラが多かった気がする。今回は戦争での悔恨に苦しむ青年をよく演じきったと思う。眼差し、嗚咽、身体全体を使った表現など見事で、彼は暗い役の時の方が引き込まれてしまう。
ゴジラの迫力はすごかったし、よく作ったなと思ったが、物語としては、ゴジラを介した戦争に対してのアンテーゼで、ゴジラはメインディッシュに付いている添え物のようなものに思えた。
戦争で生き残ってしまい、傷跡を残した人間達が出した答え。本能に刺さるメッセージ。どちらを選んでも理解できる。良い作品でした。
もしゴジラが戦後の混乱期に出現したら
新しい時代のゴジラ
過去のゴジラも勿論格好良いが、本作のゴジラもとても格好良い。背びれが青白くひかりカシャンカシャンと順に伸びていくところは何度でも観たくなる。
しかし、そんな格好の良いゴジラではあるが、本作ではあくまで脇役だ。
これまでのゴジラは戦争、核兵器といったものを象徴するものだったと思う。それに対して今作のゴジラは、日本という国が直面している課題を現しているように思う。それは、経済や安全保障、少子化など大きなものから、日常の問題まであらゆるものが含まれる。
そして、それらの課題に対して「このままで良いのか?」「もっと各々が自立した大人として行動しようよ」と、終戦直後を逞しく生きた人達の姿をとおして言われている気がする。
そういった意味で、本作ではゴジラは脇役であり、政府や軍隊の出番はないのだろう。また、主人公が生還するところも初代との違いを鮮明にしている。
ゴジラ映画という お作法を求められるシリーズの中で、それに則りながら大きな変化を打ち出した意欲作だと思う。
感動しました。
作家の百田尚樹先生が面白いとポストしておられたので、最初は、見ないつもりだったのが、見ることになった。
ところどころ うん? というところは散見されたものの、最初から最後ごまで面白かった。
戦後の焼け野原からの復興…銀座…鉄道
GHQなどなど…復員兵からの瓦礫から町並みができるところも実によくストーリーに織り込まれていた。
一部変なやつが侵略戦争が…というひねくれた視点で左翼風を思い切りふかせ批判していたが、お前の立脚して平和な場所から批判できるのも、戦後の復員兵たちが…ひいては戦中の兵員が未来を守ったおかげである…有難いと思いもしないで生きてる自分を省みろと言ってやりたい。
劇中の誰かが貧乏くじをひかなきゃいけないんだと…その想いが戦後の奇跡的な復興になったことをゴジラを通して
ヒューマンドラマとしてうまく結実させた素晴らしい作品でした。
うん?というところはいっぱいあるけど一番は、のり子という可愛い子をいつまでも手を付けなかったところで、そこは、やるやろ男として…とつっこみを入れておきました。
なにこれ
想像を1mmも超えない。
全編に驚きや楽しさがあるとは思えない。
だけど技術的に見るところも多く、好きな人には退屈しない映画だろう。
DVDなら早送りしてみたいところだけ見る映画の一つだ。
前作と何が違うのだろう、とずっと考えさせてくれる映画で
予告編を見て想像した内容を、全く覆すことも無く終始した。
4DXなどで、要素を足して観られる事をお勧めする。
最恐ゴジラにも屈し無い…これぞ大和魂!
ビキニ前後でのゴジラをもう少し違えて欲しかった
初代ゴジラから70周年日本での実写版ゴジラ30作目という東宝の大看板を背負って山崎貴はよくぞあらゆるプレッシャーを撥ね退けこの記念碑的大作を正面突破で作り上げたものだと感心する。VFXは彼の主戦場なのだろうけれど寧ろ控えめで暴れるゴジラと逃げ惑う群衆を切り返しで描いたり合成するにも往年の怪獣映画の様式美を踏襲していると感じたがそれにしてもゴジラが圧倒的に怖くて素晴らしく戦後焼け野原からようやく復興してきた銀座を破壊する様はまさにキングボンビーで何もない方向を見て目を見開きリアクションする役者さんと違ってこちらはスクリーンのゴジラに驚き口を開け続けずにはおられなかった。ひっかかったのは最初の島で現れたゴジラを何故神木君は撃てないのか?特攻で死んだはずの神木君が生還したのに何故安藤サクラは素直に喜べないのか?やりたいストーリーの運び方伏線方向性は分かるがもうちょっと台本的に工夫できた気はする。それにしてもビキニでの核実験が生んだ放射能怪獣であることを明確に打ち出し特攻を美化しない点を評価したい。神木君と浜辺美波の疑似家族的な関係も良くてエンディング後への含みを持たせる。そして何より安藤サクラが港で神木君の肩を2度3度と叩くシーンがぐっときたのだ。
敗戦国の底力、それは夢想かもだけど
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