「ゴジラ(1.0)」ゴジラ-1.0 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラ(1.0)
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ゴジラ映画もこれまで結構な本数を見てきて、またぞろゴジラが街を破壊して群衆がわーっと逃げ惑うんだろうなと絵づらの予想がついて、食指が動かなかった(が、アカデミー賞の結果を聞いて少し興味が)。
怪獣映画は肝心かなめの怪獣登場シーンが見たいのに、それ以外の人間ドラマ部分がもどかしくて、イライラしてしまう。本作はゴジラの最初の登場こそ割と早くて良しとしたが、相変わらずドラマ展開は陳腐で退屈極まりない。同監督の「ALWAYS」と「永遠の0」を単に踏襲しているようにも思える。
ゴジラの出現シーンも水面に背びれが出て迫ってくる「ジョーズ」もどきの繰り返しで、工夫が足りない。造形と操演にもとりたてて新味は感じられなかった。戦闘機乗りの生き残りが怪獣に突っ込むくだりも、ウルトラQの「東京氷河期」と同じで既視感がある。
意思表示の乏しい主人公のキャラクターは共感しづらく、長いこと同居している女性と肉体関係がない設定も嘘くさい。「シン〜」もそうだったが、浜辺美波とか石原さとみとか、きれいだけど生活感のない女優を起用すると物語全体の中で浮いてしまう。
ラストで再生を暗示するカットがあるが、じゃあそれまでの2時間は何だったのかとなる。
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