「なぜゴジラじゃないといけなかったのか」ゴジラ-1.0 亀さんの映画レビュー(感想・評価)
なぜゴジラじゃないといけなかったのか
正直言って、ストーリーは予想通りというか、見てるうちにこうなるんだろうなとわかってしまう。最後主人公が特攻した時に脱出するのだって、シンデンに脱出装置がついているのを知っている人なら特に、知らない人でもなんとなく察してしまう。
だが、決して悪いストーリーではないと思う。シン・ゴジラとは違い、現代ではなく戦後すぐ、政府ではなく民間が立ち向かうというのは良かったと思う。この設定のおかげで、命がかかっているのになぜここまで行動ができるのかが納得しやすかった。ただただ愛国心があるからとかただの自己犠牲とかではなく、戦争を経験して、その時の国からの命令で動き命を軽く見られた。そういうことがあったから、自分の中の戦争はまだ続いているから危険な作戦に参加できるというロジックはとっても説得力がありとても良かった。あと政府万歳エンドにならなかったのは個人的にとても好印象()そして自分の中の戦争が続いているというテーマは、ベトナム戦争から帰ってきたアメリカ兵などのアメリカ映画でよく取り上げられる題材にも重なるところがある気がする。だから、アメリカでも高い評価がされてるんじゃないかなとも思ったり。
ゴジラ-1.0の「-1.0」の私なりの解釈は初代ゴジラの芹沢博士が死んだ分が無くなった、死者数が-1されたからだと思う。
最後にあと一言言いたい。作中東京を襲うものがなぜゴジラである必要があるのかあまり説明されないのだ。ゴジラといえば核に怒った大怪獣、核の具現化というイメージがあると思う。しかし今作では核の要素は非常に少なく(多分ゴジラが青い光を放つようになった理由は核)おまけ程度といった感じだ。せっかく「ゴジラ」というのを使うなら。。と思わざるを得ない。ゴジラのポジションがキングギドラでも、大災害に入れ替わっても成り立つ気がするな。
色々いったが全体としてはとても良くできていて面白い作品で私は好きだ。