劇場公開日 2023年11月3日

「伊福部昭の音楽は必聴」ゴジラ-1.0 takaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0伊福部昭の音楽は必聴

2024年1月7日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

興奮

単なる娯楽映画では無かった。敗戦から立ち上がる戦後間もない日本を襲う脅威。米国にも見放され独力で戦うことを強いられた我が国。今有事が起きたら米軍は同盟国の為に戦ってくれるのか。そんな重いテーマが去来する。

絶望の淵に追い込まれた民間人の男達は団結して国を護る決戦に臨む。部下に国家体制の不満は吐けども上司の命令には逆らえない掃海艇の船長は、まるで中間管理職のサラリーマンだ。「誰かが貧乏くじを引かなきゃならねえんだよ」この国を支えてきた普通のおやじ達が自分の人生と重ね合わせ、心を預ける。

主人公が乗る戦闘機は先の大戦で終に日の目を見なかった試作機だ。それが脅威と対峙する切り札となったのは、今は亡き技術者達への表敬だろうか。
特攻から逃げた一人の若者が爆弾を抱え決死の覚悟で戦いに向かうのは、守るべき人への愛だろうか。

ゴジラ映画たらしめる伊福部昭の音楽は恐怖や不安、支配といったあらゆる感情を綯い交ぜにし、観る者の心を圧倒的に響かせる。司令官の号令の下鳴り響く主題は、まさにここぞというタイミングで観衆を一気に舞台へ引きずり込む。

高橋洋一が四度足を運んだ映画。反響が日本に留まらないのは、愛する人を助け国を守るというどの国にもある普遍的なテーマが語られるからだろう。素晴らしい作品だった。

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taka