劇場公開日 2023年11月3日

「4DXの大きな可能性を示す!!」ゴジラ-1.0 鷹さんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.04DXの大きな可能性を示す!!

2023年12月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

このゴジラ-1.0を観て、多くの人が感動し、心震わせ、「良かった」「楽しかった」と思い、
夫婦で、恋人と、友人と、そしてネットで語り合い、喜びや、怒りや、涙を共有している。
いい映画というものは、人生を変え、新しい思いを人に与える。
私も同様に感動した。
単純にアクション娯楽として捉えていた気持ちが、あっという間に変えられた。
ヒューマンストーリーとしての素晴らしさ、丁寧さに、
「これは、今までのゴジラ映画じゃないな」と思わされ、
それ故に最初は”ゴジラ”というフィクションの存在に若干の違和感を感じていたが、
それが、”ゴジラ”の居る世界、この映画の世界観に取り込まれ、違和感はいつの間にか消えていた。
そして、ゴジラ映画で初めてゴジラを憎いと思い、「ゴジラを倒せ」と、人々を応援している自分がいた。

60歳にもなろうという人間が、ここまで映画の世界観に入って感動する、気持ちを動かされる。稀有な映画だ!
我々の世代の前の世代、父母の世代は、白黒の最初のゴジラを観て、山からニュッとカヲを出すゴジラに、本当に怯えたそうだ。
本人からもそんな話を聞き、「はぁ~そんなもんかな」と思っていたが、
このゴジラ-1.0は、今の多種多様なコンテンツを観続けている我々にも、同じような衝撃を与えてくれるのかもしれない。

「ロシア、中国、朝鮮、韓国といった、軍事力を持って他国の領土を奪おうとする国々が身近に存在する現状・・・
死ぬための戦いではなく、生きるための戦いができるような軍事力は必要なのか・・」
「核兵器によって完膚なきまでの敗戦を迎えた日本が、核アレルギーを払拭して、現実と向き合うことが必要な時期か」
「かつて、麻薬によって国が傾いた歴史を持つ国々にとって、麻薬使用は重罪であり、国民の倫理感情的にも非常に悪いことと
されている。
しかし、麻薬を政治戦略的な、他国を堕とすための物資として活用してきた国々にとっては、麻薬は自分たちでコントロールできるものであり、それ故社会的にも寛容だ。
だから、日本にとっては核は忌避すべきもの。驚くべきことに、放射能による被害者に対しても、多くの日本人は忌避感を持ってしまう。それは、国が滅ぼされかけた、核への根本的な恐れなのか。弱さとは、残虐でおろかで、惨めな側面を持つ。」
など、ゴジラを観ながら、多くのことを考えてしまう。いい映画とは、色々なことに思いを馳せさせ、考えさせる・・・
実際、私はクリストファー・リーブのスーパーマンを観て、勉強しよう!体を鍛えよう!と思い(笑)、それは、今でも私の人生にプラスとなっている!

ともあれ、多くの人がすでにこの映画の素晴らしさを語るコメントを残しているので、
意外とコメントされていない点を一つ。
これは4DXの可能性を示した映画でもある。ということ!
映画館で4DXで上映される映画は、概ねアクション映画である。
それ故4DXはアトラクション娯楽要素で語られることが多い。
よって、私も「是非映画館で!」というメッセージを持つこのゴジラ-1.0をIMAXで観たが、体感という意味も込めて4DXでも観た。
そして、遊園地の体が揺れて面白~~い!ということとは全く別の効果を、4DXがもたらすことを知ることとなった。

人は、平衡感覚でも感動を得る!
-海原を、木造船が、波に揺られながら進んでいく。
このシーンでは、最新の4DXが、実に微妙な揺れで座席を動かす。(微妙というのは、実にいい意味で揺れすぎず、臨場感を与える)
IMAXでは感じなかった、ゴジラに挑むにはなんとも心もとない、古びた木造船の、勇気を感じさせる。
-ゴジラが尾を振ると、軽い水しぶき。
これを言葉で聞くと、単に面白いアトラクションだが、実際に映画のその場面で水しぶきを浴びると
ゴジラの圧倒的な、有無を言わせず人を殺していく暴力、存在を、より強烈に感じる。

正直言って、何なら「鉄道員(ぽっぽや)」も4DXで観てみたい。「ショーシャンクの空に」を4DXで観たら、どう感じてしまうのだろう!
純文学的、落ち着いた、アクションシーンのない映画でも4DXは有用です。

もし、あなたがこのゴジラ-1.0をまだ4DXでは観ておらず、4DX上映をしている映画館がまだあるなら、ぜひ試してみることをおすすめします。
きっと、新しい感動を体験すること、請け合いです。

鷹さん