「ゴジラ×戦争、と言うより、戦争×ゴジラ」ゴジラ-1.0 Tonさんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラ×戦争、と言うより、戦争×ゴジラ
面白かった!骨太で、重厚で、良い作品でした。
エンディングや展開に驚くものはなく、設定は甘いと思う所はあるのだけれど、ゴジラの迫力と役者陣の演技が巧く、作品の世界に引き込まれた。
神木隆之介君と浜辺美波さんの演技も良かった。
2人ともいつの間にこんな演技ができるようになったのか。浜辺美波さんは、シン・仮面ライダーの時はちょっと若く、演技の幅が少し狭い印象だったが、今回は間の取り方、感情表現と、しっかりとした演技をしていて良かった。
神木君は3月のライオンの際の引きこもりがちな暗い演技から好きになったのだけど、その後のるろうに剣心、バクマン。最近観たものだと、ドラマだけどコントが始まる(そのまんま過ぎた印象のせいか、らんまんは観ていない。2人はここで夫婦役をやっていたようだが)と言った作品の軽妙に明るいキャラが多かった気がする。今回は戦争での悔恨に苦しむ青年をよく演じきったと思う。眼差し、嗚咽、身体全体を使った表現など見事で、彼は暗い役の時の方が引き込まれてしまう。
ゴジラの迫力はすごかったし、よく作ったなと思ったが、物語としては、ゴジラを介した戦争に対してのアンテーゼで、ゴジラはメインディッシュに付いている添え物のようなものに思えた。
戦争で生き残ってしまい、傷跡を残した人間達が出した答え。本能に刺さるメッセージ。どちらを選んでも理解できる。良い作品でした。
コメントする