「「災害」ではなく「戦禍」たるゴジラ」ゴジラ-1.0 克晴さんの映画レビュー(感想・評価)
「災害」ではなく「戦禍」たるゴジラ
アメリカゴジラを観て個人的に何よりも羨ましかったのが、その堂々たるマッチョさ。
シンゴジのなんかヒョロい、重量感のないゴジラが好きではないので、なおさらアメゴジには嫉妬に近い感情すらありました。
そこへ降臨した今回のゴジラ…すごい。
あまりに重く、あまりに堂々、あまりにも圧倒的。
「怪獣」に私が求める、ただ巨大であることによる「恐怖」を、これでもかと感じました。
ゴジラのみならず、「怪獣」として史上最高クラスの存在感だったのではないかと!まさに「怪獣王」!
そして本作がすごいのは、そんな凄まじいゴジラと、濃厚な人間ドラマががっちり噛み合っていること、これに尽きます。
戦争末期・戦後という時代背景と、年齢制限のつかないギリギリまで攻めた人類蹂躙描写が相まって、全く不自然さのない濃い人間ドラマが描かれます。
これまで「災害」として描かれがちだったゴジラですが、本作ではその存在はある種「もうひとつの戦争」。この辺、これまでも戦争映画を手がけてきた山﨑監督ならではのサジ加減なのでしょう。
怪獣映画としても人間ドラマとしても、おそらく邦画史上最高峰クラスのデキではないでしょうか。
本当に最高の時間でした。ぜひ劇場で!
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