「CGはよかったが」ゴジラ-1.0 Tenjinさんの映画レビュー(感想・評価)
CGはよかったが
普通の映画。セリフもお話もカメラアングルも目新しいものがない。7年前にシン・ゴジラという革新的な作品があって、その後にこれを出す意味がわからない。
全てが予想通りに進むのでわかりやすくはあるが、定食屋の定番メニューみたいなものでまるで引っかかりがないから一度見れば十分である。
主役の神木さんの演技は物足りなさが残る。恐怖や悲しみの表現に息を切らせたような仕草ばかりするのがいかにも芝居じみていて違和感。もっと自然にできないものか。
相手役の浜辺さんの方はまあ普通。配役を知らずに見たので、最初は誰だか分からなかったが。銀座のOLの制服を着たときのようなピシッとした格好の方が似合うタイプだとは思う。
ゴジラのCGは高品質でそこは素晴らしい。ハリウッドゴジラみたいに暗闇でごまかさずに見せたのは良かった。
最後のガスによる沈下作戦でゴジラが大人しくなすがままになっているのは、それまでの暴れ様からすると変である。シン・ゴジラでも似たようなシーンがあったけど、そんなところだけ真似してどうすると思ったりして。
最も自分が気になった部分は、朝ドラみたいな人情ドラマが頻繁に入ること。パニック映画のスピード感は損なわれるし、そこまで時間を割く必要性が感じられない。個人のドラマを強調したせいで、対ゴジラに結束して戦う日本海軍というテーマとどっちつかずになっている感もあり。
この映画は、マニアックなこだわりを突き詰めた結果、わかりくさもあったが見ごたえのあるものになっていたシン・ゴジラに比べると一段落ちる印象。消化が良すぎて見た後で何も残らないのである。
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