「「生きて、抗え。」というテーマの重み」ゴジラ-1.0 栞さんの映画レビュー(感想・評価)
「生きて、抗え。」というテーマの重み
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映像迫力、音楽、俳優の皆様の演技……全てが素晴らしかった。
なにより、死は美談ではない。生きて未来を歩むのだという一貫したテーマが、戦後、戦争を生き抜いた人々のドラマだからこそ重みを増す。
見る前は、「戦後にゴジラ?平成でもアメリカでもあんなに苦労したゴジラを、全て失った日本で何ができるのか」という不安も映画を見て一気に吹き飛びました。
核分裂で動くゴジラが、戦後の日本にやってくるというなんとも残酷な皮肉。
ただの怪獣ではなく、戦後の人たちが見たゴジラはもっといろんな風刺もあるのではないかと勝手に解釈してしまう。
恐ろしさもありながら、神様のような神秘さもあり、"畏怖"という言葉がしっくりくるあのゴジラはやはり日本映画だからこそ出るものだと改めて感じました。
ゴジラのテーマが流れた瞬間鳥肌が止まらず、大袈裟かもしれないが「日本人に生まれてよかった」と心が叫んだ。
シン・ゴジラももちろん良かったし、全く別ベクトルのゴジラなので比べるのも野暮だが、人間ドラマが重なるゴジラはこんなにもいいのかと感動しました。
最後のなんとも不安な終わり方にもゾクゾクした。
ゴジラは滅びない。それを私たちは嫌というほど知っている。
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