劇場公開日 2023年11月3日

「旧軍ファン涙目?(特に海軍)」ゴジラ-1.0 north-windさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5旧軍ファン涙目?(特に海軍)

2023年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

萌える

ゴジラ映画、さほど期待せずに見に行ったが・・・・
(山崎監督だし)

今回は感服した。
沈黙の艦隊も吹き飛ぶような面白さ(と言っていいのか?)。

一部演出に、いつものお涙頂戴か?と思わせるものもあったが、最後は泣けた。

映像面では、ゴジラより背景描写や艦艇がどうやったものか、かなりリアルに感じた。
戦中、戦後あたりの時代背景なので、それなりの汚しもなされ、
これ、実写映画版「この世界の片隅に」も作れるんじゃないの?と思わせるもの。
(TVドラマ版は映像がきれいすぎて・・・)
また、「戦艦大和の最後」はもとより、各種戦争映画とか。
逆にゴジラを語らないと、これだけのものが出てこないのが哀しい・・・

ゴジラやドラマはおまけとしても、重巡高雄や駆逐艦群(陽炎型、睦月型?神風型?、松型?海防艦?)を見る価値はあろうかと。あるいは架空戦記の定番、「みんな大好き」な極地戦闘機震電とか(ラスト、なるほど震電だなと~実機は設計不良でろくに飛べなかったとの話も)。

ゴジラのおどろおどろしさは、子供の頃に観た、「ゴジラ対ヘドラ」のほうが上か・・・
(今見ると、とんでも映画の類なのだが)

今後、ゴジラをやるなら、ヘドラでやってもらいたいとも思う。

本当にやってもらいたいのは、ミッドウェイのヨークタウン撃沈だが。
(ミッドウェイ海戦がらみの映画で、ほぼ完全無視される話~架空の潜水艦の話よりよほど面白いのに)

不満点としては、
・戦中戦後の話なのに、現代風な言葉遣いに感ずること。
・飛行機の動きがやっぱり軽い感じ?
・一つ屋根の下に暮らして何もなしって・・・ねぇ・・・
(ストーリー上、そうならないんだろうが)
 どうせ大きなお友達がメインなんだから、もうちょっと浮いた話も欲しいわな。
・最後の戦いは地理的な面で、ちょっとちぐはぐ(距離感が合わないような)に感じる。
・ゴジラは迫力満点なものの、あまりに大きすぎて、しっくりこない感じ。
 (もはや敵なしの雰囲気・・・広島型原爆2~3発くらいあるんじゃないかと思える)
・そもそもゴジラが上半身まで海面から出せるのか?とか(ご都合主義な面?)
・震電、そもそも開発者呼んで来い!とか(それじゃ映画にならないのだが)
・高雄は迷彩塗装再現で、もうちょっと尺を伸ばしてくれていたらなと(大傾斜時に砲塔回転、発砲していたが、実際は不可能と思われ)。
・ビキニ環礁後の話だから、長門は出せなかったか・・・

最後に、囮として散った駆逐艦の乗組員たちの冥福を祈る。
(死なないはずだったのに、かわいそう・・・)

north-wind