「戦争の矛盾を描き、既視感のないゴジラ映画に!」ゴジラ-1.0 Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争の矛盾を描き、既視感のないゴジラ映画に!
子どもの頃から数えると、もう何回ゴジラ映画を観たのだろうか。これまでハリウッド版まで40本近くも作られ、ゾンビ映画のように既視感で溢れてる。もうネタ切れだろーって思ってたらいやぁ甘かった。ゴジラ映画で、泣きっぱなしになるとは思いませんでした。心を何度折られても、人間は立ち上がれるんだな。
戦争の後遺症が残る日本で、元特攻隊員を主人公にした設定が良い。職人俳優神木隆之介さんが、生き残った罪悪感を様々な表情で魅せる。戦争経験のない若者役の山田裕貴さんが上手く対比して、心情を重くする。浜辺美波さん演じるヒロインは、昭和の名女優のような佇まいで息を呑みましたよ。
ゴジラの美しい造形やリアリティ、昭和の銀座を再現した絶望的な破壊シーンはとてつもないクオリティ。ハリウッドには到底及ばない制作費だろうけど、山﨑監督と白組のシゴトは世界に誇れるものがありますね。
戦争の矛盾に涙した「永遠の0」や「アルキメデスの大戦」を観た時の感情が、ゴジラで蘇るとは思ってもみなかった。敗戦後すぐの1954年に作られた初代ゴジラ映画は、戦争と原爆の悲惨さを世界中にメッセージしていましたね。あれから70年近く経っても未だに世界中で戦争が起こっているなんて、人間は愚かで悲しい。
ほぼ全てのゴジラ映画を観てきたけど、反戦反核に原点回帰し表現が進化したゴジラ-1.0 は、ゴジラ史上最高傑作ではないでしょうか😊
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