劇場公開日 2023年11月3日

「アトラクション化したエンタメゴジラ」ゴジラ-1.0 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アトラクション化したエンタメゴジラ

2023年11月7日
PCから投稿

突っ込みどころ多数ながら、『ゴジラ』映画、「怪獣映画」としてはよかった。
VFXで作り上げた迫力ある巨大生物の怖さを全面に打ち出しつつ、エンタメに全振りした作りは、一般へ浸透しやすいわかりやすさを有していて面白かった。

”感情や設定を全てセリフ説明”
”「ドラ泣き」的なお涙頂戴のご都合主義な展開”
”ファンタジーレベルのかっこつけ、美化”
”新旧様々な作品からのオマージュが随所にある”
”怪獣や船の大きさがわかりにくい”
”現代人の価値観であり、戦時下の教育や同調圧力の影響にある連中の発言に見えない”
などなど、山崎テイストは健在ではあるのですが。
それらを引いてもよかったですよ。
特に銀座の蹂躙具合がいい。

映画の生まれた原始状態が、馬が走ったり機関車が走って迫ってきたりの、「映像的万国吃驚ショー」だとしたら、アトラクション化した本作は「これはこれでありなんじゃないか」と思わせてくれるものでした。
『2』以降の『ジュラシックパーク』シリーズと同じような傾向だと思いました。
4DXなどに向いていると思います。

おそらく本作品については、受け取る側にとってこの「泣ける方程式」「脚本や設定の穴」「ご都合主義」が素直に楽しめるか(もしくは許容できるか)、それとも身の毛がよだつくらい嫌いかが、賛否の分水嶺のような気もしました。
私は、観終わって「あそこがおかしい」と突っ込みながらの友人との感想戦が楽しかったので、OKです。

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コージィ日本犬