「まるでアトラクション!」ゴジラ-1.0 FUNAOさんの映画レビュー(感想・評価)
まるでアトラクション!
監督が山崎貴ということもあり、監督の過去作の影響を強く感じた。キャストも王道で揃えてあるため、普段ゴジラを見ない人たちにも受け入れやすい作品になっていると感じた。
観終わった感想としては、映画を観たというよりは遊園地のアトラクションを体験した感覚に近かった。CGを多用し、まるで自分がその場にいるかのような錯覚を覚えるほどの臨場感が演出してある。これはまさに山崎貴が得意とする表現方法だと感じた。
怪獣映画はこうあるべきだよねというツボをしっかり押さえてあり、観終わった後の満足感がしっかりあった。特にゴジラはもともと海の生物と言うこともあり、海上での戦闘シーンが多かった点がこれまでの作品との差別化ができてて良かった。
この作品を観て感じた事は、今後ゴジラの新作を作る場合は、特撮ではなくCGで作らなくてはいけないと感じた。特撮は特撮の良さはもちろんあるが、CGを使った迫力ある演出には負けるとこの作品で強く感じた。
個人的にはキャストをもう少し工夫してほしいと感じた。あまりにも王道なキャスト過ぎたため若干つまらないと感じた。
神木隆之介の演技は悪くはないが、良くもないといった印象で、正直演技からは人物の深みをあまり感じることができなかった。山崎貴作品の難点としては、CGの演出クオリティーは高いが、俳優の演技力を引き出すような品質はできていないと感じた。
迫力だけを見れば星5レベルの作品ではあるが、登場人物への感情移入があまりできなかった点や作品の内容にいまいち腑に落ちないご都合主義ともいえる点があったところもあり、星3.5の作品だと感じた。
庵野秀明監督のシン・ゴジラと比較した場合、個人的にはややシン・ゴジラの方が上の作品だと感じた。シン・ゴジラのゴジラと比較して、今回のゴジラはとにかく動き暴れる叫ぶ迫力重視のゴジラ。シン・ゴジラはあまり派手には動かないが、存在が神のような恐ろしさがあり、それが非常にリアルだった。
そしてシン・ゴジラの俳優たちの演技が非常にリアルで観客向けを狙いすぎてない。演技も良かった。今回の作品は、シン・ゴジラには少しだけ劣るものの、今後のゴジラ作品に大いに影響し、期待ができる作品であると感じた。
海外の人が見ても十分に楽しめる作品になっており、言葉がわからなくても十分に伝わる作品だと感じた。