「やればできるやん!」ゴジラ-1.0 がばちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
やればできるやん!
小学生低学年の頃、親がレンタルビデオ(β)で借りて来た『モスラvsゴジラ』『三大怪獣 地球最大の決戦』に胸打たれ、何度も繰り返し見まくった。
小学校高学年になって、期待を胸に見に行った平成ゴジラシリーズに、ゴジラ愛は粉々に砕けちった。スーパーX?ふざけてんの?子供心に思った。
その後もちらちらシリーズを見るのだけど、琴線に触れるものはなく。
ハリウッド版の『キング・オブ・モンスターズ』には久々に興奮したけど、国産でない事に一抹の寂しさを覚えた。
『シン・ゴジラ』も面白かったけど、所詮パロディゆえの面白さ。
あの頃の感動は、純粋な子供時代ゆえの美しき幻だったに違いない。そう思ってた。
そして今作。
ちょっとした空き時間を潰すために鑑賞したら。
…正直予想外に面白かった。
時代設定的に、戦争美化に繋がる描写を危惧したけれど、そこは(個人的には)問題なかったし、初代に通じる「反戦」のメッセージも(個人的には)しっかり感じられた。
ゴジラについても、下から見上げる構図や、各部位のアップなどが大半を占めて、人間には到底どうにもならない災害や神罰のような、巨大な禍々しさにあふれていた。
邦画なのに(失礼)、CGが嘘くさく見えないのも素晴らしい。
…アレをアレする時の背びれ?の描写は少しだけ萎えたけれど。
それでも、思わず心の中で叫ばずにはいられなかった。
「やればできるやん!」
ゴジラも邦画も、まだ見限るには早いという事か。
世情的にも、全ての娯楽的な欲望を叶えるのが難しくなって来ていて、エンタメに関しても取捨選択を迫られる事が多くなっている。
個人的な「捨」のリストの上位に記していた二者。少しランクを下げて、もう少しだけ見守りたくなりました。