「生きて抗うという事」ゴジラ-1.0 Moiさんの映画レビュー(感想・評価)
生きて抗うという事
感想
大戦が終了した後もなお、大量殺戮兵器を創り出す人類。
地球自身を生体として捉えるとき、人類の生存繁栄はウイルス、細菌などの病原微生物の体内での拡大と同じと解釈する。
地球自身が自ら浄化を目指し、体内を浄化するが如く強力な免疫系が意志をもって集大成する。
更に大戦で亡くなった多くの海に散る恐れや悲しみ、望郷の念にかられた英魂と浄化意志を持った免疫系の集大成が融合し、人類を抹殺する恐ろしい強大な怪物が実体化してしまう。
大戦で焼土と化した日本。運命の流れで生き残った日本人に追い討ちのように、羨みのようにその存在を許さず、その生魂全てを亡きものとしょうと蹂躙を繰り返す怪物。
それは宛かも歴史として戦局が不利になり、個人よりも国制を尊ぶ一億総玉砕という得体の知れない発想により、国を存続させる目的さえ失った考え方の強制が人の命の価値を低く見積る結果となった事。
その得体の知れないものが現れた結果、様々な残酷で理不尽な事実を多数出現させて常軌を逸脱し、国としての誇りや威信も地に落ち、国家は滅んでしまったのだ。
戦火を潜り生き残った人達は大戦で経験した得体の知れないもの。イコール今自分達を抹殺しようと襲いかかってくる怪物と同じものである事に気付く。
同じ間違いは二度と繰り返さない。国を再興するのは生き残った者の使命。絶対的不利な状況であっても、わずかな可能性や希望を捨てず、その時に出来る最善の怪物対策を考え出し、具体化し、実行していく。
人は命ある限り抗う。繰り返し恐怖と絶望と不安が人々の心を支配しようとも、人は生きて抗い、命を繋いでいくという事を決して忘れない。必ずこの命題を心に留めて希望とやりがいを見出していく。
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映画自体日本の近現代の歴史とオーバーラップして少し泣けました。
怪獣映画なのに人としての生き方、人生のやりがいとは何かを考えさせてくれた稀有な映画。
ゴジラは山崎監督オリジナルぽさが造形や動きに出て良かった。
俳優の皆様の演技は流石。素晴らしい。神木さん。バイクのシーン。画的に最高!きまってました。
銀座破壊時に井崎源治郎さんいましたね。橋爪さん存在感大。です。
持てる力で最善を尽くして怪物に対峙する人々がとてもカッコ良かった。
IMAX鑑賞。
共感ありがとうございます。
自分は幼少期から昭和ゴジラに親しんだ為、平成以降の作品にはどうしても色眼鏡越しに視えてしまう様です、すみません。
ただコレが日本アカデミー賞というのには強い違和感が有ります。