「ゴジラ造形は◎ が、ドラマパートが・・・。」ゴジラ-1.0 レオンさんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラ造形は◎ が、ドラマパートが・・・。
まずゴジラの造形は、過去30作品でNo1かもしれないくらい完成度が高い。 は虫類過ぎず、作り物っぽくもなく、シンゴジラのように化け物っぽくもない。 目には鋭さがあり、動く玉を入れてる感もない♪
が、人間ドラマ編が人物描写にうるさい者から言わせると、大人の演出にはほど遠いお涙ちょうだい感が満載で、目が潤む前に興ざめ感や違和感が先行し素直に感情移入出来ない。
このドラマパートがよいと表してる方も多いが、批判あるいは低評価の方はほとんど私と同様に感じている様だ。
説明的台詞がうざいと表してる方も多い。 状況描写と少ない台詞で見る者に"悟らせる"という、名監督こそがなせる演出が見えない・・。
神木隆之介はCMを見ていて、「おっ、うまいな」と僅かな時間でも感じさせる事があるので、演技力は確かと考えるが、今作の様に命を賭して何かをし得るというシリアスな役には不向きに感じ、私的にはもっと実年齢よりさらに老けて見るぐらいの大人顔の役者を選ぶべきと思う。
機銃を撃てない・相手の言葉に逆上・机に頭を押しつけての言葉 等のシーンがいかにも過剰演出を感じる。 これは脚本どおり、または監督の指示通りにやっていると思うので神木君の影響ではないが、やはり違和感。
彼の他にも違和感シーンが多々あったが、もう細かい批判はしまい。
その分ゴジラは、最初の体がそれほど巨大にならないうちは、やや恐竜感はあったが、巨大化してからは特に、日中銀座を破壊するシーンはかなりリアルで目を見張る。
ハリウッド作ではCGシーンが背景画像をごまかせる為か、やたら暗いシーンが多いのだが、本作は明るいシーンで街の建造物もよく再現されている。
そして火炎放射シーンは、過去最大級の破壊力を見せつけて、原爆が落とされたのかとも思える演出まで・・。
さらに本作独自のギミックがあり、発射される前ふりから、「おお!」と声が出てしまった。
ゴジラ退治方法も、昭和版やシンゴジ同様、それなりの作戦が構築されていて、?は多々あるものの、怪獣 対 人間がどう攻めぎ合うかをそこそこオリジナリティーを加味して魅せている。
ゴジラが暴れるシーンは大金が掛かるので、いかにそのシーンを短縮し、ドラマパートで繋ぐかが、制作費がハリウッドの10分の1以下の日本映画の宿命なのだが、もう少し年配者でも唸るぐらいの脚本がほしかったというところか・・。
主演=岡田准一、船団長=役所広司 主役先輩=豊川悦司 ぐらいのキャスティングでならさらにワンランク上の作品になったかと・・。
まあ制作費はさらに要するだろうが、海外での興行収益を考えると、このぐらいの役者を使わないとドラマパートは評価されないと思う。
神木君は悪くないが海外では多分、20歳前後ぐらいにしか見られないのでは・。
どれだけ人気俳優を起用するかより、海外と同じくその役を演じきれるのは誰かを優先して吟味起用しないと、邦画のレベルはじり貧になると危惧してしまう・・。
私のオススメゴジラ映画
1 「ゴジラ」(1954年)
真の"反"怪獣映画は今作のみ。 (私レビューに記載)
2 「シン・ゴジラ」 究極のリアリズム (私レビューに記載)
3 「キングコング対ゴジラ」(1962年)
コング版権でライセンス契約までして作られた
本格対怪獣作品、ユーモアあるドラマパートも面白く、着ぐるみ格闘を馬鹿にせず楽しむ作品
4 「ゴジラ対ヘドラ」
昭和ゴジラでは異色作。今作でしかみれないあるゴジラの特技が♪
5 「ゴジラ」(1984年)
子供怪獣映画を脱却し、9年ぶりゴジラ30周年として制作され、ゴジラの身長をビル等と正確に比較して表現された本格作品。 評価はそれほど高くないが、当年の邦画収益2位。 今作がこけていたら、後のゴジラ映画はなかったかもしれない。
6 「三大怪獣 地球最大の決戦」(1964年)
キングギドラ初登場。 その完成された驚異の造形はハリウッド版でもゴジラ最大の強大に。 物語は陳腐だが、怪獣プロレス・怪獣会議を笑いながら昭和ノスタルジーを味わうべし。
7「ゴジラ対ビオランテ」
ゴジラ作品に科学的要素を大幅加味して制作された、マニアにも評価の高い作品。
Wikiで、「ゴジラ映画作品の一覧」で検索すれば、全てのゴジラ作品が年代順に並んで表示されるのでご参考に♪
>トミーさん
う~ん、神木君をはじめ他の演者も私的にはかなりオーバーアクトに見え、もっと抑えた演技で悟らせるような演出を期待しました。 まあ監督の意図だったとは思いますが・・。
フォローありがとうございます。
演技主導に偏り過ぎてるんではないでしょうか。第一作ではここまで熱量を出していた役者は誰も居なかったと思います。こういう演技に慣らされている我々でもあるのでしょうが。