「予想を超えるゴジラ作品が、いまの令和のスクリーンに現れた!」ゴジラ-1.0 山田晶子さんの映画レビュー(感想・評価)
予想を超えるゴジラ作品が、いまの令和のスクリーンに現れた!
ゴジラ70周年記念作品となる本作「ゴジラ−1.0」は、日本で製作された30作品目のゴジラ実写映画であり、怪獣映画「ゴジラ」の1作目が封切られた「ゴジラの日(11月3日)」に公開! 監督・脚本・VFXを務めたのは山崎貴。
ゴジラは、今までの作品で様々なところに現れ、存在感と重圧、想像をはるかに超えるパワーを観客に訴えてきた。「絶望の象徴」とも呼ばれるだけあって、ゴジラが全身全霊で叫ぶシーンは、迫力に圧倒されると同時に涙が出そうにもなる。「好きで生まれてきたわけではない」という悲しい現実も、その姿から感じてしまうからだ。
本作では、焦土と化した戦後の日本に、ゴジラが突如現れる。山崎貴監督が描く、戦闘機と戦艦の臨場感や、ゴジラが秘めている恐ろしさと迫力は、期待し過ぎていても後悔しない最強レベル。ゴジラは深海から突然現れ、凶暴なサメの歯が充満しているような鋭さと歪さを想像してしまう「背びれ」だけを海面に出し、もの凄いスピードでターゲットに向かって行く。追われる側の「恐怖」が上昇中に、ゴジラの顔が出てきた時はリアル過ぎて、なぜか「歓喜」に変わった。演出と細かい技術に見惚れてしまうと言えばいいのだろうか。猛々しくて怖いのだが、崩壊的な天然のカリスマ感があり、美しい。
ゴジラが海から陸へと上がり、突然、2足歩行する姿は、これまで見たことのないような異様さがあり、ここも山崎貴監督だからこそ活きているシーンとなっている。
人間達が切磋琢磨に生き、新たに戦う姿も巧みに描かれているので、ゴジラファンだけでなく、日本の1つのイベントとして見ても満足度は高いだろう。
老若男女問わず、令和に甦ったゴジラを大きなスクリーンで堪能する人が、口コミなどでどんどん増えていくことを期待する。