ティルのレビュー・感想・評価
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グレゴリー・ペック主演の「アラバマ物語」
アメリカ南部ミシシッピ州の黒人差別から公民権運動までの話。
話の内容はいいし、映像の作りもキレイできっちり作ってあるんだけど、映画としてあまり面白くない。とても教科書的。教育テレビ見てるみたいな感じ。
キャラが立ってないし、プロットに盛り上がりやひねりがない。絵作りに驚きがない。
でもテーマは重くて、他人を差別する意識の愚かさは感じた。他人をジャッジする意識を乗り越えないと、人はずっと不幸なままだろう。
同じテーマの映画なら古典のグレゴリーペック主演の「アラバマ物語」がオススメ。
全ての技術が高い
「ミシシッピー・バーニング」とは違うアプローチの闘う作品だった。
主人公の闘う理由が、
変わっていく。
加害者に罪を償わせる事から、
国に償わせる、
そしてそれを制度にする、
法律化するまでの闘い。
どんな法律か。
反リンチ法、
リンチはいけませんという法律。
成立したのは、
驚くことに2022年3月、
つい昨年!
本作は1955年に実際に起きた事件なのに、、、。
主人公の法廷での証言シーン。
カメラを切り返す事なくワンカット。
論より証拠、
特に法廷ではエビデンスが重要。
しかし、
証拠より、論より、母親の体感の説得力!
その体感の説得力を証明する130分が、
かなり短く感じるのは、
シナリオ、演出、芝居の技術が高い証拠、、、体感、、たいかん。
ボーとの思い出カットは無い、
あるのは、
主人公が前を向く為のイメージのみ、
微妙な違いだが、
事件に対する意志の強さの現れでもある。
【蛇足】
昨今の目利きの観客を納得させるには、
2時間では短く、
ドラマで数シーズンにわたって、
飽きさせない工夫で、
なおかつ、
ヒューマニズムもアクションも必要。
そんな中、
ひとつのアイデアとして、
論より証拠を逆転させて、
証拠より論、
客観より主観、
データより勘、
論理より感情、
社会的な常識とは逆を攻める、
というのが一周回って、
(二周、三周?)トレンドになっている。
人種差別による息子の残虐な殺人事件から立ち上がった実話ベースの母親の生きざまを描いた作品。 本年度ベスト!
鑑賞前にWikipediaで「エメット・ティル」の項目を調べてから鑑賞。
そこにはティルの残虐な殺され方が細かく書かれていて覚悟して鑑賞。
予想していたよりもそのシーンはあっさり表現されていて安心する。
本作はティルの母親のメイミーが、裁判で負けるものの、その後も諦めずにアメリカの法律を動かしたストーリー。
ぶっちゃけ、これからって時に終わってしまい拍子抜けしたけど、これからの出来事を字幕で説明して行くラストが逆に良かったのかも。
本作で圧巻だったのはティルの母親役を演じたダニエル・デッドワイラーさんの演技。
ティルと一緒の時の幸せそうな演技。
ティルの遺体の前での号泣する演技。
裁判で負けた時の悲壮感漂う演技。
そこから立ち上がる自信に満ち溢れた演技。
どれもが迫真の演技でスクリーンに引き込まれた!
個人的に主演女優賞を差し上げたい!
ティルを殺した二人が罪に問われず、その後の雑誌でのインタビューで大金を手に入れた事実。
裁判所での黒人に対する差別。
陪審員が皆白人と言う事実。
当時の黒人の人達の立場が虚しい。
今でもこの様な差別はあるけど、差別の無い世の中が来ることを切望します( ´∀`)
決して忘れてはならない惨劇を
本作品ではバイオレンスシーンやグロテスクシーンを割愛した上でエメット・ティル事件について紹介されている。
序盤はエメット・ティルが生前歌や踊りが大好きな陽気で明るい少年だったという場面がメインで叔父の住むミシシッピへ一夏の旅行をする際に、母メイミーは今ある環境が恵まれているんだと伝えた上で"白人と何かトラブルがあっても低姿勢を貫きなさい"と話した言葉の意味合いが分からなかったようで気さくに白人の店員に対し話しかけたつもりが結果何様と思われた末の店を出る際に口笛をふいたことにより恨みを買う結果になることを少年は知らなかったのならば、悲惨な末路他言いようがない。
ティルは滞在先がバレた末に連れて行かれる。
本当はこんなこと言いたくないが映画には描かれていない事実を話すと…。
リンチした末に眼球はえぐり出され(未だに眼球は見つからず)顔は判別つかぬほど原型をとどめていない上に銃で頭を撃ち抜き性器も切断し有刺鉄線で回転式綿搾り機を重しとして首に縛りつけた状態でタラハシー川に遺棄する。
黒人がどうのこうのじゃなく、大人が子供に対してする仕打ちにしてはあまりにもひどすぎる。そこはウーピー・ゴールドバーグが模倣犯を生ませないための配慮があるとしたら、この事件、そしてこの映画は決して忘れてはならないということを映像を通し教えてくれた。
上映館は少ないが、是非皆様に見て欲しい素晴らしい作品です。
死後のエメット・ティルが痛みや苦しみのないエデンで幸せに暮らしていると願いたい。
BLM now and then
面白くなかった、と言ってしまうと不謹慎に聞こえてしまうので言い方が非常に難しいんだけど、映画の良し悪しというよりは予告で観ていたもの以上の内容がなかったことに残念。(最近多いよね、予告が全てです作品😅)
理不尽なヘイトは勿論あってはならないし、自分自身子供の頃から差別的なものは色々経験してきたから他人事ではないはずなのにこの作品では全く感情移入が出来なくて💦💦💦お母さんが強過ぎたのかなーなんでかなー。
途中で少々“ん?あらあら?”と思う台詞もあって。息子には『無邪気さを無くしてほしくなかった』って言ってたけど、南部に行く息子に向かって『小さくなってて』って言ってなかった??まぁ、息子を亡くして頭や心の中がワチャワチャしてるからだったのかな。
そんなメイミーの終盤の台詞でとても好きだったもの👇
“Either freedom for everyone or freedom fails. ” だったかな。
エメットの死後67年経って可決された反リンチ法…。人間が決めることの出来る法律で何故にこんなに時間がかかるのか……。
メイミーのお父様の法廷での出立ちが存在感アリアリで好き💕久しぶりにお姿を拝見したウーピーもなんか嬉しかった❤ ❤ ❤
White trash
1955年8月ミシシッピ州マネーで白人女性を冷やかす様な行動をしたことで惨殺されてしまった14歳の少年エメット・ティルと、彼の殺害事件の裁判の話。
母子家庭ではあるもののの、シカゴで裕福な暮らしをしていた本当の黒人差別を知らないボー=エメット・ティルが、夏休みに親戚の住むマネーを訪れて巻き起こっていくストーリー。
何かの映画でこの事件のことが話題になっていたのを観て、なんとなくは知っていたけれど、観賞後に調べてみたら、今作はボーの殺害に関してだいぶマイルドに描かれていたんですね。
そしてその後の裁判に至るまでの様子や裁判そのものも…。
あくまでも糾弾する意味合いではなく、この出来事を知らしめたり、忘れて貰わない為の作品ということでしょうかね…。
もちろん当時と比べたら良識ある思考の人が多数にはなっているんだろうけれど、この胸クソ悪い出来事は、今だに変わらないしこれからも無くならいであろうアメリカの本質というところでしょうかね…。
アウェイ。
理不尽な理由で大事な一人息子を失った母親メイミー・ティル(黒人)の話。
戦争で夫を亡くしてるメイミーは息子エメットと平穏に暮らす、ある時、ミシシッピ州マネーの親戚宅へエメット独りで…その近くにある飲食店に入り店の白人女性店員に口笛を吹き「ムービースター」みたいだね!と、声を掛けたその夜、その白人女性と仲間の男達に拉致され殺害されてしまった…。
過去に起こった事件の映画化。
本作観ての感想は理不尽で嫌な時代の一言ですね!ただただ肌が黒いってだけでなんでこんな仕打ち?!
とりあえず飲食店の白人女性店員キャロリンはクソですよね(笑)
被害者なのに加害者扱いとか母親も周りの人間もみんな胸クソ悪かったと思う!
鑑賞した私も胸クソ悪かったです(笑)
ウィッシュも良いがこちらも見て欲しい一作。
今年421本目(合計1,071本目/今月(2023年12月度)22本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
さて、今週(12月3週)は極端にウィッシュ一強(ついでラジャー?)という状況ですが、本作もぜひ見て欲しいという作品です。
日本とは異なるアメリカで実際にあったいわゆる人種差別に始まるトラブルにおいて、裁判過程においても権利を保障されなかった実話が描かれます。この点、南北戦争が終結した当時(映画の当時)においても、黒人に寛容的だった北側と偏見が残っていた南側がまだあったことは周知の事実で、映画自体も史実を参照にしているため、あることないこと描くことはできずかなり淡々と進む部分はあります。
ひるがえって日本を見ると、戦中戦後の混乱期等を除けば「適正な裁判を受ける権利」が害されたケースは、「差別問題」という観方では数えるほどしかありませんが(代表的なものとして、ハンセン病元患者さんの事案がよく知られます)、日本においても少数ながらそういった事案が存在したのはこれもまた事実です。
映画としても無難にまとまっており、時間として適正であるのが良かったです。
あえていえば当時の公民権運動等に対する知識があればよいのかもしれませんが、それは一般常識の範囲でしょうし、映画でも詳しく示されますので、あまりこう「あれこれ心配せずに見に行ける映画」という観点では教養を高めるという観点からもおすすめです。
採点上特に気になった点としては以下がありますが、0.2以下なので切り上げフルスコアにしています。
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(減点0.2/却下と棄却の違い)
英語で話されているのは rejection で、これ自体は「棄却」「却下」のいずれにもとれ、字幕では「却下」になっていますが、日本の法制度に照らしてみればここは「棄却」になるものが正しいものです(ただ、この点は民訴法や行政事件訴訟法等を知らないとわからない論点だし、原告適格等が問題になっているのではない映画なので、その誤訳によって理解が妨げられることはないので、この程度)。
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目を逸らすべきでない事実
大人になると、映画作品を観たことをきっかけで「知りたくなること」に事足りなくなります。その一つが「アフリカ系アメリカ人公民権運動」ですが、関連する作品や資料にも紹介されることのある「エメット・ティル殺害事件」については、その残忍性も相まってとても印象深い出来事の一つです。とは言え、この事件をクローズアップしたような作品は少なくとも日本で殆ど見当たらず、残念ながらこの事件自体、日本人にとってはあまり認知度が高くないのではないかと思います。
今回は日程調整が難しかったため、サービスデイの鑑賞を諦めてポイントを使い初日のシャンテへ。18:50の回でしたが正直客入りは少なかったです。確かに重い作品であり気楽に観られるものではありませんが、アメリカの歴史を考察するうえで重要な事件であり、むしろこの事件の凄みは、事件後、殺されたエメットの母であるメルミーの決意の行動こそが、当時の公民権運動に大きな影響を与え、後のBLMにおいても語られる「人間がやったことの証拠」として目を逸らすべきでない事実です。
実際、本作においてもエメットは物語の序盤でアッサリと殺害されます。語弊のある言い方に聞こえるかもしれませんが、むしろ、その尊厳のない扱いそのものを感じさせるほど唖然とする演出で、作品を観続けながらも意外に後々まで引っかかります。
そして、以降は終始メルミーの凄み押しです。メルミーを演じるダニエル・デッドワイラーについては全く存じ上げませんでしたが、これはアカデミー賞主演女優賞あるような気がするほどの「圧巻の演技」だと言えると思います。
はっきり言って、この事件すら知らない方に興味を持てと言っても難しいかもしれませんが、逆にこの作品をきっかけに事件を知ることで、公民権運動やBLMに対しても改めて興味が出てくるだけの影響力はあると思います。知るべきことを知れる作品です。
ブラックライブズマターの必要さ
数年前、映画「ウィンド・リバー」を見た。
ネイティブアメリカンの命が軽く扱われている現実を描いたサスペンス。
30年ほど前、「ロス暴動」の引き金になったのは、黒人を暴行した警察官たちが、無罪になったことだった。
3年ほど前、「息ができない」と訴えた男性が警察官に殺害される事件もあった。(こっちは有罪になった)
で、本作。
南部で黒人の命は軽い。
レイシストの白人にとっては、「虫けら」同然の軽さだろう。
それは「昔話」であればともかく、現代でも続いていて、そうした人種差別を公言する人物が大統領になったりする。
それだけ「白人の危機感」つまり「国が黒人に乗っ取られる」とか「黒人が大手を振ってあるく」ことへの危機感、嫌悪感が強いのだろう。
しかもそれが宗教的後ろ盾があり、「愛国心」とも言える、という特異な思想。
大昔の事件ではあるが、それが本作が今の時代に作られた意味、意義だと思う。
まだまだ根深い…
肌の色の差別がこんなに強烈だという事を改めて実感。が、なぜここまでの差別意識が持続するのかよく理解できない。そしてやはり母はつよし。その思いに感動し共感。思っている以上に一見の価値あり、と思う。
世界を動かした愛の物語
エメット・ティル殺害事件
こんなことがあったと恥ずかしながらこの映画で知りました
なんともおぞましくてやるせない実話、それだけではなく愛も希望もある実話…
母親役のダニエル・デッドワイラーの演技が素晴らしく心が揺さぶられました( > <。)
たくさんの賞を取ったというのも納得
彼女のファッションスタイルにも目がいってしまう
帽子とワンピースがとても素敵なの!
実話ベースによくあるその後のエピソードですが…
そこで怒りがピークに達するはず(`皿´)
文字による表記なのでお見逃し無く!
多くの人に知って欲しい事件だと思います
絶望も希望も含めて…
映画.comさん試写会当選ありがとうございました
ボブ・ディランの曲にもある『エメット・ティルの死』を取り扱った映画
アフリカ系アメリカ人による公民権運動を大きく前進させるきっかけとなった事件とのこと
メイミーさんの意思の強さはもちろん、母親としての強さは見ていて勇ましく、胸が熱くなった
それを支えていたのはダニエル・デッドワイラーの演技
時に力強く、時に繊細にすべての感情を演じ分けていたのが素晴らしかった
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