劇場公開日 2023年12月15日

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「終わっていない合衆国の南北問題は、終わらない。」ティル カール@山口三さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5終わっていない合衆国の南北問題は、終わらない。

2023年12月30日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

心配性な母親メイミー・ティルの迫真の演技と、
陽気で無邪気な14歳の息子エメットの相関が問題点の落差を予感させながらこの事件の問題の深さを浮き出させている。

つまり南北戦争は、
1861年4月12日から1865年4月9日にかけて、
北部のアメリカ合衆国と合衆国から分離した南部のアメリカ連合国の間で行われた内戦であり、

奴隷制存続を主張するミシシッピ州やフロリダ州など南部11州が合衆国を脱退してアメリカ連合国を結成し、

合衆国にとどまったその他の北部23州との間で戦争となった。

そして「エメット・ティル反リンチ法」と名付けられた事件の結末は、

2022年、
バイデン米大統領は3月29日、人種差別によるリンチを連邦法で憎悪犯罪と定める法案に署名し、成立させた。

被害者の死亡や重傷に至る憎悪犯罪をリンチ罪で起訴することが可能になった。

バイデン氏は「人種的憎悪は過去の問題ではない。現在も続いている」と強調した。

それはそうだ、
合衆国が加担しているウクライナ戦争もイスラエル問題も同じ病巣なのだから。

(^◇^)

ティル

1950年代アメリカで、
アフリカ系アメリカ人による公民権運動を大きく前進させるきっかけとなった
実在の事件「エメット・ティル殺害事件」を劇映画化。

1955年、イリノイ州シカゴ。
夫を戦争で亡くしたメイミー・ティルは、
空軍で唯一の黒人女性職員として働きながら、
14歳の息子エメットと平穏に暮らしていた。

ある日、エメットは初めて生まれ故郷を離れ、
ミシシッピ州マネーの親戚宅を訪れる。
しかし彼は飲食雑貨店で白人女性キャロリンに向けて口笛を吹いたことで白人の怒りを買い、
8月28日、白人集団に拉致されて凄惨なリンチの末に殺されてしまう。

息子の変わり果てた姿と対面したメイミーは、この陰惨な事件を世間に知らしめるべく、
ある大胆な行動を起こす。

「ザ・ハーダー・ゼイ・フォール 報復の荒野」のダニエル・デッドワイラーが主人公メイミーを熱演し、
ゴッサム・インディペンデント映画賞など数々の女優賞を受賞。
名優ウーピー・ゴールドバーグが共演し、製作にも名を連ねる。

( ◠‿◠ )

カール@山口三