「決して忘れてはならない惨劇を」ティル 雨雲模様さんの映画レビュー(感想・評価)
決して忘れてはならない惨劇を
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本作品ではバイオレンスシーンやグロテスクシーンを割愛した上でエメット・ティル事件について紹介されている。
序盤はエメット・ティルが生前歌や踊りが大好きな陽気で明るい少年だったという場面がメインで叔父の住むミシシッピへ一夏の旅行をする際に、母メイミーは今ある環境が恵まれているんだと伝えた上で"白人と何かトラブルがあっても低姿勢を貫きなさい"と話した言葉の意味合いが分からなかったようで気さくに白人の店員に対し話しかけたつもりが結果何様と思われた末の店を出る際に口笛をふいたことにより恨みを買う結果になることを少年は知らなかったのならば、悲惨な末路他言いようがない。
ティルは滞在先がバレた末に連れて行かれる。
本当はこんなこと言いたくないが映画には描かれていない事実を話すと…。
リンチした末に眼球はえぐり出され(未だに眼球は見つからず)顔は判別つかぬほど原型をとどめていない上に銃で頭を撃ち抜き性器も切断し有刺鉄線で回転式綿搾り機を重しとして首に縛りつけた状態でタラハシー川に遺棄する。
黒人がどうのこうのじゃなく、大人が子供に対してする仕打ちにしてはあまりにもひどすぎる。そこはウーピー・ゴールドバーグが模倣犯を生ませないための配慮があるとしたら、この事件、そしてこの映画は決して忘れてはならないということを映像を通し教えてくれた。
上映館は少ないが、是非皆様に見て欲しい素晴らしい作品です。
死後のエメット・ティルが痛みや苦しみのないエデンで幸せに暮らしていると願いたい。
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