ただいま、つなかんのレビュー・感想・評価
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気仙沼で、牡蠣養殖や民宿を営む女将さんと、震災の学生ボランティアた...
気仙沼で、牡蠣養殖や民宿を営む女将さんと、震災の学生ボランティアたちとの、映像記録。
発端は 2011-03-11 唐桑の立派な屋敷の街並みが、津波で丸ごと壊滅し。
菅野さん宅も3階建ての3階まで浸水し、全壊判定されたものの、
学生ボランティアさんらが寝泊まりできる場所を…と、
天井や壁などもろもろを修繕しながら、居場所にし続けていたと。
建物を丸ごとリフォームし、民宿として再開されたとのこと。
もとはテレビのドキュメンタリーが数回、各25分間ほどのオンエアだったとのこと。
その尺の短さでは、表現しきれないものがあるが、
テレビでドキュメンタリーに1~2時間の枠確保など、現実味がなく。
なら映画にしてみようよ、という発端だったそうです (監督のトークにて)。
何よりの驚きは、おかみさんの、自然体でのお言葉や目線。
震災や事故やウィルスなど、むごい出来事は再三あったのですが
落ち込むだけ落ち込んで、吐露して、結局は必ず前を向き&行動しているところ。
その過程を、ご本人が自ら発する、言葉選び。とてつもなく頭のよい女将さんなのでは…と、驚きました。
女将さんのお人柄でしょうかね、周囲に自然に人が集まってくる様子。
2011以降の学生ボランティアだった方々が、唐桑に移住して、家族を設けたりとか。
よくいわれる、東北人の気質の典型 (口下手、耐える、遠慮、引っ込み思案、打ち解けづらい…) が、全然当てはまらない、
唐桑では移住者がむしろ増えている、
いい意味で、学ぶことが多い、憧れすら抱く映像でした。
(こちら隣県の過疎地出身で…耳や心に痛い印象も抱きました。)
優しさ溢れる人々の絆
気仙沼市の民宿を舞台に描かれたドキュメンタリー。東日本大震災をきっかけに人生が一転してしまった菅野さん夫妻。度重なる不幸にも負けず、仲間に支えられながら前向きに生きる姿に目頭が熱くなりました。希望を紡ぐ仲間たちの想いと絆が本当に素晴らしく優しさ溢れる物語です。10年以上にわたって菅野夫妻を取材していた監督もお見事です。
2023-47
この映画を観ていたら、寄りたかったものだ
気仙沼には、2012年3月に初めて足を踏み入れ、陸地に打ち上げられた巨大漁船に驚くとともに、復興商店街に希望の芽を見出したものであった。その後も何度か通過したり宿泊したりしたが、この民宿の話は全く知る機会がなかった。朝ドラ『おかえりモネ』を観て、昨年11月に BRT の車窓から大島大橋の夜景を遠目に眺めたが、この映画を先に観ていたら、寄りたかったものだ。どうして今頃になって映画化したのだろうか。中心となる女将の一代氏がとても魅力的なのには異論はなく、鈴木京香氏演じた亜哉子に相応するであろう。夫の和享氏は、かき養殖一筋で、藤竜也氏演じた龍己に相応するであろう。兵庫県出身のボランティアで森林整備事業に従事する佐々木美穂氏は、登米の森林組合の代表であった夏木マリ氏演じた新田サヤカに相応するであろうか。移住ボランティアの一人と結婚した現地の漁師は、永瀬廉氏演じた及川亮に相応するであろう。一代氏が津波被害だけでなく、夫の和享氏を含む家族をさらに亡くしながらも、移住してきた若者たちと立ち直っていこうとする姿に、また新しい希望の段階を見出せるということなのだろう。私自身も複数回ボランティアツアーに参加したので、あの連帯感には懐かしさを感じる。ぜひいつか現地を訪れたい。
被災地気仙沼の「唐桑御殿つなかん」の優しくもたくましい女将物語
2011年東日本大震災後から撮影を継続して作品に集約。気仙沼の唐桑半島の鮪立で牡蠣の繁殖業を営む菅野夫妻を中心に震災後の立ち直っていく姿が映し出される。中盤でこんなことが起こってしまうのか?と言葉に出来ないくらいの悲しすぎる事故が起こってしまう。いつも明るく前向きで、学生ボランティア達からも慕われている一代さんだったが、どう心を立ち直らせることが出来るのか?心配でならなかった。神も仏も無いってこう言う事かと。そういう中で、一代さんがまた元気を取り戻して行く姿に心打たれる。民宿「唐桑御殿つなかん」が鮪立のツナと菅野のカンでツナカン。学生たちが考えたしゃれたネーミングになるほど!と感心した。
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